デイサービスの内装デザインに悩んでいる、どんな内装なら利用者に満足してもらえるのか知りたいとお悩みの方もいるのではないでしょうか。そんな方のために、今回はデイサービスの内装に注目してみました。
デイサービスの内装におけるポイントや設備ごとの内装、工事にかかる費用相場などを解説していきます。業者を選ぶ際のコツなども紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
デイサービスの内装におけるポイント
デイサービスはお年寄りにとって欠かせない施設の1つです。日本は現在、65歳以上の割合が約27%以上という高齢化社会なので、需要に合わせてデイサービスも増加している傾向にあります。その中で選ばれるためには、コンセプトを明確にすることが必要です。
デイサービスの内装を検討する際には、どんな方にどういう目的で利用してほしいのかというコンセプトを決めましょう。世帯年収や利用者の性格なども意識しながら内装を決めると、イメージが固まりやすいです。
デイサービスの設備ごとの内装
デイサービスにはさまざまな設備があるので、設備ごとの内装にも気を付ける必要があります。ここでは、それぞれの設備の内装のポイントについて見ていきましょう。
- 事務室・事務所
- 相談室
- 会議室
- 食堂
- 機能訓練室
- 静養室
- トイレ・洗面台
- 消火設備
- その他の設備
順番に解説していきます。
事務室・事務所
事務室・事務所は必ず必要な設備です。デイサービスというと、利用者に必要な設備ばかり考えがちになってしまいます。しかし、重要なのはそこでサービスを提供するスタッフたちです。職員がきちんと仕事ができる環境を整えるのが重要なポイントになります。
内装としては、十分に余裕のある事務机とその周りの空間が必要です。事務員の数だけ事務机とイスを用意しましょう。また、個人情報が記載されている書類を保管するための鍵付きの書庫なども設置するようにしてください。
相談室
デイサービスには、利用者が落ち着いて相談できる相談室が必要です。相談室の内装は、横並びでも対面でも構いませんが、できるだけ個室にするようにしてください。個室が用意できない場合は、利用者が周囲を気にすることなく落ち着いて相談できるだけのスペースを確保しましょう。広いスペースの確保は、車いすでも問題なく出入りできるというメリットもあります。
プライバシーに関わることなので、玄関のような人の出入りが多い場所に作るのは避けてください。玄関の付近に造れないとなると場所の確保が難しいという場合もあるかと思いますが、エレベーターがない場合は相談室を1階に設置しなければいけません。2階以上に作る場合には注意しましょう。
会議室
デイサービスでは毎月1回、自治体の担当者も含めての会議を行う必要があるため、会議室も重要になります。最低でも4人程度が座って話ができるくらいの部屋を用意すると良いです。あまり広いスペースを取る余裕がない場合は、相談室と会議室を兼ねて利用するのもおすすめできます。1つの部屋に抑えられる分、広いスペースを確保できるでしょう。
食堂及び機能訓練室
食堂はデイサービスを利用する上で、利用者が長い時間を過ごす場所になるため、内装には特にこだわるようにしましょう。デイサービスを利用する方は、食堂で談話をしたり食事をしたりして過ごします。そのため、食堂のスペースは広く取って、利用者が全員で同時に使用できるだけのテーブルやイスを用意しましょう。
デイサービスに通う方は機能訓練を行うため、機能訓練室も重要な設備です。利用者1人に対して、食堂と機能訓練室の合計が3平方メートル以上になるように定められています。
機能訓練室は、業務に支障をきたさない場合には食堂と同一の場所にすることが可能です。そのため、グループワークの実施なども想定して、食堂には大きめのテーブルやイスを人数分用意する必要があります。
静養室
静養室はその名前の通り、デイサービスの利用者が休めるスペースです。デイサービスは宿泊ではなく通うものですから、たくさんのベッドを用意する必要はありません。しかし、利用するのは介護が必要な高齢者なので、体調を崩すことも想定して静養室にベッドを設置する必要があります。
場所的には、食堂及び機能訓練室に隣接する個室が理想です。プライバシーを確保できるかを意識した上で、検討してみてください。
トイレ・洗面台
トイレ・洗面台は誰しもが必要とする設備です。特にデイサービスの場合は、介護が必要な高齢者が使用する場所なので、利用しやすいトイレを設置する必要があります。利用する人数に合わせて用意してください。利用者用のトイレとは別に、職員用のトイレを設置するのも忘れないようにしましょう。
衛生管理や感染予防のためには、洗面台も必須といえます。車いすの人でも利用しやすい洗面台も合わせて設置をすると、利用者からの満足度も高くなるはずです。
消火設備
消防法では、150平方メートル未満の事務所には消火設備を設置する義務が発生していません。しかし、災害時に備えて、消火設備は必ず設置するようにしてください。避難経路の確保をしておく他、消火器、スプリンクラー、自動火災報知設備、火災通知装置を設置するなど、利用者を守るための内装も重要です。
その他の設備
ここまでは、デイサービスに必ず必要な設備を解説しましたが、この他にも、福祉用具や備品をしまっておくための保管設備・倉庫なども必要になるでしょう。デイサービスで行っているサービス内容次第では、厨房や入浴設備なども求められます。
細かい設備についてはデイサービスが行っているサービス内容によって変化するので、サービス内容とその中で必要になる設備をリストアップすると良いです。
デイサービスの内装工事にかかる費用相場
デイサービスの内装工事にかかる費用相場は、デイサービスの規模や提供するサービス内容によって異なります。入浴設備なしで40坪のデイサービス施設の場合を例とすると、内装工事に必要な金額は大体600万から800万円とされています。
コンクリートがむき出しのスケルトン物件状態からであれば、1坪15万から20万円ほどが目安です。これらの内装工事に加えて、リハビリなどに使用する設備の費用なども必要になってくるため、全体の内装を整えるにはさらに費用がかかることを頭に入れておきましょう。
内装工事の費用を抑える方法
デイサービスの内装工事にかかる費用相場を紹介しましたが、その費用を少しでも抑えるためにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは、主な方法として3つ解説していきます。
- 居抜き物件を利用する
- 資材の費用を抑える
- 設備の手配は自分で行う
内装工事の費用を抑えたいという方は、ぜひご覧ください。
居抜き物件を利用する
デイサービスに限った話ではありませんが、賃貸物件で利用する場合には、ゼロから作り上げるスケルトン物件と、内装をそのまま引き継げる居抜き物件があります。ある程度設備が揃っている後者の居抜き物件を利用するほうが、圧倒的に費用を抑えられるでしょう。
ただし、デイサービスの場合には、飲食店のようにすでにある内装を活用できるケースは非常に少ないです。デイサービスでは設備にある程度の決まりがあるため、費用を抑えたいならデイサービス施設の居抜き物件でなければあまり意味がありません。
資材の費用を抑える
デイサービスで利用者に少しでも良い思いをしてもらえるように、高級感のある資材を使用したいという方もいるでしょう。高級感のある資材を使用した内装であれば、他のデイサービスとの差別化もできて、独自性が生まれます。もちろん、利用者が良い思いをして高い満足度を得たり、差別化ができるのは良いことですが、デイサービスでもっとも重要視されるのは「安心」です。
安心できるサービスが行われているか、安心して使用できる内装レイアウトになっているかなどが重要になります。高級感のある資材を使用することよりも、利用者が快適に生活できるような動線やバリアフリーを取り入れることのほうがよほど大切です。
安全性が確保できる、利用者が落ち着いて生活ができるという状態が確保できるのであれば、デイサービスの売りをサービスの良さにして、できるだけ安い資材を使って内装工事を行うというのも検討してみてください。
設備の手配は自分で行う
設備の手配を内装業者に依頼すると、管理費だけではなく手数料も必要になります。そのため、自分で用意できる設備は自分で手配すれば、その分費用を抑えられるのです。
自分で用意できる設備には、トイレや洗面台、浴槽などが考えられるでしょう。インターネットで相場を確認して安い設備を導入することも可能です。安価な設備を揃えれば、かなりの費用を抑えられます。しかし、安価な設備が必ずしも良いとは限らないので、安さと実用性の両方の面から検討してみてください。
内装工事業者を選ぶ際のコツ
最後に、内装工事業者を選ぶ際のコツを3つ紹介していきます。
- デイサービスの内装工事の実績がある
- 詳細な見積書を出してくれるところを選ぶ
- 複数の業者に見積もりを依頼する
内装工事業者を検討する際に注目すべき点が知りたいという方は、参考にしてみてください。デイサービスの内装工事は大きな出費になるので、しっかりと内装工事業者を調べて検討するようにしましょう。
デイサービスの内装工事の実績がある
デイサービスの内装工事業者を選ぶ際には、デイサービスの内装工事の実績がある業者を選ぶようにしましょう。最近では、業者のホームページで担当した内装工事の写真などが掲載されていることが多いです。インターネットをうまく活用しながら、実績をチェックしてみてください。
実績を確認する上で重要なのが、どのくらい実績があるか、デイサービスの内装工事を担当したことがあるか、担当した内装はどのようなデザインになっているかです。デイサービスでは設備にさまざまなルールが定められているため、ルールを把握している業者に依頼をしたほうが安心できます。知識が無いところに依頼すると、内装工事が終わった後の監査でひっかかる可能性があるのです。
詳細な見積書を出してくれるところを選ぶ
内装工事業者選びの際には、詳細に記載されている見積書を出してくれるところを選ぶようにしましょう。「内装工事一式」のような内容が全てまとめられた見積書ではなく、内訳が記載されている見積書が理想です。
どの設備の工事費用がどのくらいなのか、どの設備をいくらで仕入れるつもりなのかを詳細に確認できれば、不明瞭な金額がなくなって安心できるでしょう。もし見積書を見て分からないところがあれば、質問をしてみましょう。質問に丁寧に答えてくれる業者であれば、その後の作業も安心して任せられます。高い費用を払うことになるので、丁寧な対応をしてくれて信頼ができる業者に依頼をするようにしてください。
複数の業者に見積もりを依頼する
前項で見積書について解説しましたが、見積書は複数の業者に依頼をするようにしましょう。
複数の業者に依頼することを相見積もりといい、工事費用を下げるためにはこの相見積もりが効果的です。1社に決め打ちして依頼すると、相場よりも高い金額が請求されていたとしてもなかなか気付けず、本来ならもっと安く内装工事ができたということにもなりかねません。
しかし、値段が安い業者だから良いというわけでもありません。実績の有無や業者の対応なども考慮しながら、価格とサービスのバランスを見て決めるようにしてください。
まとめ
高齢化社会が進んでいくのと同時に増加傾向にあるデイサービス。さまざまなデイサービスがある中で利用者に選んでもらうためには、コンセプトを明確にすることが大切です。どんな方に利用してもらいたいのかなどを考えながら内装を決めると、ターゲットイメージに合った内装に仕上がるでしょう。
また、デイサービスでは設備ごとの内装にも注意しなければいけません。部屋の広さや階数などを指定されてる場合があるため、よく調べた上で内装を検討してください。
デイサービスの内装に悩んでいる、デイサービスの内装実績がある業者を探しているという方は、ぜひ山吉吉田にご相談ください。利用者が快適に安全に過ごせるような内装作りのサポートをいたします。お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。