300万円でできるリノベーションは？費用を抑えるコツと合わせて紹介

2023/05/29

家をリノベーションする際に、金額の問題が非常に重要になります。安い買い物ではないので、多くの場合は決められた予算の中でやりくりしなければいけません。ある程度の相場観を持って予算内でできることを把握しておかないと、余計なところにお金をかけてしまい、中途半端で満足度が低い工事になってしまうかもしれません。

そこでこの記事では、費用300万円でできる工事の内容やリノベーション費用を抑えるコツなどについて詳しく解説していきます。この記事を読めば、リノベーションに必要な金額が分かり、よりリーズナブルに家をリノベーションできるようになるでしょう。

費用300万円台でできるリノベーション

予算300万円台の場合は、水回りの改修や内装などの部分的なリノベーションが可能です。

床、壁、天井を全て取り払って、躯体のみの状態から家全体を大幅に作り変えるようなスケルトンリノベーションは、通常400万円〜1,000万円以上かかるため、予算オーバーになる可能性が高いでしょう。

そのため、リノベーションしたい箇所をなるべく絞って、改修を行う必要があります。必要な箇所を絞れば、無駄な費用をかけることなく、より高品質な製品や設備を導入できて、満足度の高いリノベーションを実現できます。

水回り

300万円台でリノベーションを行う場合、水回りの改修は十分可能です。工事内容によっては、下記4点をセットで全てリノベーションすることもできます。

キッチン
浴室
洗面
トイレ

まずは、水回りのリノベーションについて見ていきましょう。

キッチン

費用が300万円あれば、キッチン設備の交換や壁の張替え、配管の移設までキッチン全体のリノベーションが可能です。

具体的な相場としては、システムキッチンの交換にかかる費用がだいたい50万円〜150万程度。床や壁の貼り変え、蛇口やコンロの取り換えなど、部分的なリノベーションであれば約10万円から30万円程度になります。

浴室

浴室のリノベーションに300万円かけられれば、ユニットバスの交換やガス給湯機の交換、壁の張替えはもちろん、浴室の拡張や移動を伴う大規模な工事もできます。

具体的には、浴室のリノベーションにかかる費用の相場はだいたい60万円から150万円になることが多いです。浴槽のみの交換で30万円程度、ユニットバスの交換で60万円〜120万円、浴室の拡張や移動を伴う浴室全体の大規模な工事では90万円〜300万円程度が費用の相場になります。

洗面

300万円あれば、洗面台の移動や交換、コンセントの増設、床や壁紙の張替えまで洗面全体のリノベーションが可能です。費用の相場は使う材質や洗面の広さにもよりますが、だいたい10万円〜50万円程度になります。

壁や床の張替えは約5万円程度、洗面台の位置を移動するような工事であれば20万円程度必要です。よほど高い設備を入れなければ、トイレなどの別の箇所と一緒にリノベーションできます。

トイレ

トイレのリノベーションに必要な予算は、10万円〜50万円程度です。トイレには、組み合わせ型や一体型、タンクレストイレ、システムトイレなどのさまざまな種類がありますが、どれも20万円〜40万円ほどで交換可能です。クロスや床の張替えは2万円から6万円程度が相場になります。

したがって、50万円程度あればトイレ全体の工事を行えるでしょう。300万円の費用がある場合は、洗面台や浴室など、他の箇所のリノベーションも視野に入れられます。

リビングダイニング

リビングダイニングのリノベーションは、予算300万円ほどあれば、以下のようなことが可能です。

和室を洋室への変更
キッチンの間取りを変更
新たなリビングスペースを作る
壁や天井、クロスの張替え
フローリングの張替え
間仕切りの撤去
床暖房の設置

リビングダイニングのリノベーションの相場は、50万円〜500万円程度になることが多いです。既存の壁や床などを取り壊さず、そのまま使う場合は比較的安価に工事が済むでしょう。間取りの変更を伴うような大規模な工事になると、費用は大きくなりがちです。

壁紙

壁紙の張替えにかかる費用は、1㎡につき1,000円〜1,500円程度です。そのため、3LDKのマンション全体の壁紙の張替えをする場合では、40万円〜50万円ほどかかります。壁紙の張替え時期は10年前後なので、壁紙が剥がれてきたり、汚れが目立ち始めたら張替えを検討しましょう。

費用が300万円あれば、かなり広い範囲で壁紙やクロスの張替えができるため、家全体の雰囲気をガラッと変えられます。

フローリング

フローリングをリノベーションする場合の相場は、改修の方法によって異なります。既存のフローリングの上から新しいものを重ね張りする場合は、1畳あたり2万円〜5万円程度です。既存のフローリングを剥がして新しく張替えをする場合は、1畳あたり3万円〜6万円程度になります。

3LDKのマンションの床の張替えをするケースを例にして考えると、以下のような金額が必要です。

既存のフローリングの上から新しいものを重ね張りする方法：60万円〜100万円
既存のフローリングを剥がして新しく張替えする方法：70万円〜105万円
畳からの張替え：90万円〜130万円

ちなみに、張替えをする面積が多いほうが1畳あたりの費用が安く済むケースが多いので、覚えておくと良いでしょう。

断熱

断熱リノベーションをする場合は、天井・壁・床・窓の4箇所が対象になります。それぞれの箇所にかかる費用の相場は、6畳1部屋の場合でおおよそ以下の通りです。

天井：15〜25万円
壁：30〜40万円
床：30〜80万円
窓（1つ）：5〜20万円

一戸建て住宅を丸ごと断熱リノベーションする際は、だいたい350万円〜600万円必要になります。マンションでは、1部屋全ての断熱リノベーションでだいたい120万円〜500万円です。

また、選ぶ断熱材の性能や建物の状態によって費用が膨らむ可能性もあるので、費用が300万円に限られている場合は、断熱工事をする箇所を絞らなければならない場合もあります。

間取り変更

間取りを変更する工事の場合、間仕切りを新設して部屋を2つに分ける工事ならだいたい10万円〜20万円、間仕切りを取り壊して部屋を1つにする場合は40万円〜100万円程度が必要になります。

使える費用が300万円程度あるなら、キッチンの移動も含め、マンションの部屋全体の間取りを一新するようなリノベーションも検討可能です。

スケルトン・フルリノベーションの一般的な費用相場

住宅全体を新しくするフルリノベーションには、大きく分けて3つの種類があります。

フルリノベーション	1から新たに設計して既存の部屋や家を丸ごと改修する
表層リノベーション	壁や床などの目に見える部分だけを改修する
スケルトンリノベーション	内装を取り払って全く新しい内装や設備を取り入れる

スケルトンリノベーションとフルリノベーションは同じなのではと思ってしまうかもしれませんが、フルリノベーションのほうが対象範囲が広いです。

スケルトンリノベーションの費用相場は、1㎡あたり16万円〜22万円程度です。実際にリノベーションを行う際には、必要になる金額はおおよそ以下のようになるでしょう。

マンション（一部屋）：約400万円〜1300万円
一戸建て：約350万円〜2000万円

フルリノベーションやスケルトンリノベーションは、内装や設備を撤去して骨組みの状態から作り直すので、大がかりな工事が必要になる分、費用もかさみます。

リノベーションにかかる費用については、「リノベーション費用の相場まとめ｜費用を左右するポイントとは」の記事もご参照ください。

300万円台でできるスケルトン・フルリノベーション

単身者向けのマンションのような小規模な住宅の場合、工夫次第で300万円台に費用を抑えられる可能性もありますが、予算300万円でフルリノベーションを行うのは難しいでしょう。

300万円台でリノベーションをするのであれば、「浴室・キッチン・壁紙が特に気になる」など、気になる部分だけを選んでリノベーションをすれば広範囲の工事をするのが一般的といえます。

家全体を丸ごとリノベーションをすることを検討している方は、予算を見直すかリノベーション方法を考え直したほうが良いでしょう。表層リノベーションの場合は、スケルトンリノベーションよりも100万円前後節約できる可能性があるので、300万円前後の金額でも広範囲の工事ができます。

スケルトン・フルリノベーションを300万円台に抑えるコツ

300万円台でできるリノベーションについて解説したところで、ここからは、リノベーションの費用をできるだけ抑えて300万円台にとどめるためのコツを紹介します。

工事以外の費用も計算しておく

300万円台のフルリノベーションを成功させるには、まず工事の全体像をきちんと把握した上で、どこにどれくらいの費用をかける必要があるかを適切に決定する必要があります。

費用を検討する際に、工事費用だけで予算いっぱい使い切ってしまう方もいますが、シミュレーションをする際には、工事以外で必要になる費用についても知っておくことが大切です。リノベーションを行うには、工事費以外に主に以下の費用が必要になります。

設計費：間取りの変更を伴うようなリノベーションで必要
ホテル・トランクルーム費用：建物を改築している間の住まいが必要
駐車場代：施工業者や職人用の駐車スペースが必要
確認申請手数料：住宅増築の際に必要（自治体によって金額が異なるので注意）
印紙税：工事請負契約を結ぶ際に必要

上記のような費用を考慮した上で、正しく費用を割り振りましょう。

予算に合わせて工事内容を見直す

予算300万円台でのフルリノベーションは予算に余裕がないため、工事の内容に優先順位を付けて重要でない部分をカットしていく意識が必要になります。設備の取り替え程度であればそれほど高い費用もかかりませんが、水回りの配置を変える際などは配管や電気工事などが余計に必要になり、費用がかさんでしまいます。予算内におさめるには、できるだけ既存の配置を生かして施工するのがポイントです。

設備・建材のグレードを下げる

300万円台でのフルリノベーションを成功させるなら、設備や建材のグレードを落とすことも視野にいれる必要があります。

フローリングに安価な素材を使う
デザイン性の高いハイグレードな壁紙やクロスを避ける
システムバスやキッチンなどの不要な機能をそぎ落としてグレードの低いモデルを選ぶ

上記のような対策を取ることで、ある程度のコストダウンが見込めます。

複数の業者に見積もりを依頼する

リノベーションをする際には、業者から見積もりを取るのが基本ですが、そのときは複数の業者に依頼をするようにしましょう。なぜなら、業者ごとに料金体系やサービス内容が異なるためです。得意分野も業者によって異なるので、希望のリノベーション内容に合った施工会社を見つけるためにも、複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。

補助金・助成金を活用する

住宅のリノベーションには、国や自治体から補助金・助成金が下りる場合があります。自分の行いたいリノベーションが補助金・助成金の対象になれば、想定よりも安い費用でリノベーションができるでしょう。

特に、バリアフリーや耐震、断熱を目的とした工事には、さまざまな補助金・助成金が用意されています。事前に使える制度を確認しておくようにしてください。

予算オーバーしそうなときはローンを検討する

リノベーション内容をどれだけ見直しても、どうしても予算をオーバーしてしまいそうというときは、ローンを利用することも視野に入れましょう。リノベーションで利用できるローンには、住宅ローンとリフォームローンがあります。それぞれで利用できる条件や借入金額、金利などが変わるため、それぞれの特徴を把握した上で検討するようにしてください。

より良いリノベーションをするための業者選びのポイント

より良いリノベーションを実現するためには、業者選びにも注意しなければいけません。以下のポイントに留意して、信頼できる業者を選びましょう。

業者の得意分野
施工実績
担当者が丁寧に対応してくれるか

それぞれのポイントごとに詳しく解説していきます。

業者の得意分野を調べる

先ほども少し解説しましたが、業者にはそれぞれ得意分野があります。自分が依頼したいリノベーション内容が得意ではない業者に依頼をしてしまうと、相場よりも費用がかかったり思い通りの出来栄えにならないリスクもあるでしょう。

そのため、自分が行いたいリノベーション内容によく精通している業者をリサーチして工事を依頼すると良いです。得意な工事であれば、不得意な工事を行う場合に比べて、高いクオリティの仕事が期待できます。さらにミスや非効率な業務が少ないため工期の短縮につながり、施工費用が抑えられるでしょう。

施工実績を確認する

施工業者を選ぶ際には、施工実績も確認しましょう。実績が豊富な業者であれば、これまでの経験やノウハウから、より依頼内容に添った工事を適切に効率良く行ってくれるでしょう。特に、自分の依頼したい内容に近い工事実績があるところであれば、希望通りのリノベーションをしてもらえる可能性が高いです。クオリティの面でも価格の面でも良い工事を期待できます。