「子どもの成長に合わせて内装をリフォームしたい」「高齢の家族との同居を機にバイアフリーにしようと思っている」など、さまざまな理由で内装工事を検討する人がいますよね。しかし、内装工事を考える際に不安なのが「費用」です。
この記事では、工事にかかる費用を把握するために欠かせない「見積もり」について解説していきます。内装工事の見積もりの流れや項目、依頼するポイントを紹介するので、参考にしてみてください。
内装工事の見積もりの流れ
内装工事の見積もりは、大まかにいうと、工事を依頼する前に確認する価格の内訳のことです。見積もりの流れには次の4つのステップがあります。
- 内装工事業者を選ぶ
- 打ち合わせをして現地調査を行う
- 設計プランを作成する
- 見積もりが提示される
これらのステップを1つずつ解説します。
内装工事業者を選ぶ
まずは、見積もりを依頼する内装工事業者を選びます。内装工事は決して安くないので、1つ1つの業者を調べて、予算内でニーズに応えてくれる内装工事業者を選ぶのが大切です。
大手の内装工事会社を選ぶのも良いですが、近くのエリアに内装工事会社がないか調べてみるのも良いでしょう。大手の内装工事会社は工事を委託しているところも多いので、仲介費用がかからない分、地元の内装工事会社のほうが費用が安いというケースも珍しくありません。
依頼する内装工事業者の候補が見つかったら、下記のような点でそれぞれ比較してみましょう。
- 施工例はどのくらいあるか、自分が依頼したい内容の施工例があるか
- 施工例の仕上がりは自分の好みに合っているか
- 内装工事の価格帯はどのくらいか
- 口コミで悪い評価がされていないか
これらの点を確認しながら、自分の希望に合う内装工事をしてくれそうな業者を探してみてください。
打ち合わせをして現地調査を行う
内装工事業者を選んだら、次は打ち合わせをして現地調査を行ってもらいましょう。業者へのお問い合わせは、WEBや電話から行うことが可能です。打ち合わせの際には、下記のような内容を伝えるようにしましょう。
- 現在はどのような内装なのか
- どのような点に困っているのか
- どのような内装にしたいのか
- 予算はいくらくらいで考えているのか
これらの要項を事前に考えておくと、業者に伝える際にスムーズです。複数の業者に見積もりを依頼する際も、業者ごとに伝える内容が異なっていたということにならないので、あらかじめ考えて内容をまとめておくと良いでしょう。
打ち合わせでしっかりと内容を伝えたら、次は担当者が現地に来て工事を行う箇所の確認をしてくれます。担当者は依頼者の要望通りに工事が行えるかを調べるために、家の構造を調べたり採寸をしたりします。
設計プランを作成する
現地調査が終わったら、次は設計プランを作成してもらいます。内装工事業者が、希望しているリフォーム内容に関して、どのように実現させていくかを具体化して計画してくれるのです。
- 概算見積書
- レイアウトの図面
- 完成イメージのパース
- 工事進行の工程表
どのようなレイアウトになるのか、パースはどのようになっているのかなどを詳しく計画してもらえます。また、工事を進めるに当たって、どのような工程で進めていくのかなども提示してもらえるので、今後の予定を立てる際の参考にもなるでしょう。
これらの作成には時間がかかるため、お問い合わせは早めに行うようにしましょう。
見積もりが提示される
設計プランの作成が終わったら、内装工事をする際にそれぞれの工事でどのくらいの費用がかかるのかという見積もりが提示されます。この見積もりを確認すれば、内装工事を依頼しようとしている業者が提示している金額が妥当なのかどうかを判断できるでしょう。
見積もりを受け取っても、価格相場が分かっていなければ判断材料が乏しくなるため、費用相場に関する知識を事前にある程度持っておくと良いです。
また、複数の業者に見積もりをすると、「家の広さごとの内装工事をする場合の大体の相場」や「一軒家・マンションごとの大体の相場」などの大体の相場ではなく、「自宅を理想の条件で内装工事をする場合の相場」を具体的に把握できます。
適切な金額を把握して、優良な内装工事業者に依頼をするためには、複数の業者に見積もりを依頼するのがおすすめです。
内装工事の費用相場については、「リノベーション費用の相場まとめ|費用を左右するポイントとは」をご参照ください。
内装工事の見積もりの項目
内装工事の流れについて解説しましたが、次は見積書の見方について紹介します。内装工事の見積もりの項目は以下の通りです。
- 設計費
- 仮設工事費
- 解体工事費
- 内装工事費
- 軽鉄・ボード工事費/木工造作工事費
- 電気工事費
- 空調工事費
- 水道管工事費
- ガス工事費
- 諸経費
それぞれの項目ごとに詳しく説明します。
設計費
設計は内装工事における核となる作業のことで、設計費は内装工事を始める前のリフォーム設計作業全てにかかる費用を指します。
- リフォームのデザインなどを考える
- 構造上の問題がないか、法律上の問題がないかを調査する
- リフォーム箇所の採寸をして細かく図面に起こす
- 使用する材料などを決めて、完成イメージを作成する
- 場合によっては完成イメージをスケッチに描く
こういった設計に関わる全ての作業にかかる労力とスキルへの報酬として支払わなければならない金額が、設計費として算出されます。
仮設工事費
仮設工事費とは、工事を安全に行うために設置する仮施設の工事にかかる費用のことです。
仮施設は内装工事をしている間だけ必要とされ、工事の終了とともに撤去されます。そのため、リフォームの仕上がりには表れない、見えない部分にかかるコストです。
リフォーム内容によっては、足場を設置したり、仮設電気や仮設トイレを設置したりする必要があります。
また、室内用のペンキを使って内装をリフォームする場合、大事な工程が養生作業です。それらの作業にかかるコストが仮設工事費と呼ばれています。
解体工事費
解体工事費とは、もともとあったものを取り壊すための工事にかかる費用です。
例えば、古いキッチンをアイランドキッチンにしたいといった場合は、古いキッチンを取り外す作業が解体工事費に含まれます。さらに、2つの部屋を1つの空間にリフォームする際に、壁を取り壊す作業にかかるコストも解体工事費です。
リフォームの作業の前に、リフォーム箇所をフラットにしていく作業に対して支払う金額は全て解体工事費と呼びます。解体工事の後の残留物の撤去に関しては、別途費用がかかるでしょう。
内装工事費
内装工事費は簡単にいうと、内装工事に関わる全ての費用です。タイルや塗装、左官作業以外の内装工事にかかる費用が、この内装工事費に含まれます。壁紙を新しくしたり、床にタイルカーペットを敷いたり、和室を洋室にするときのフローリング仕上げ作業をしたりするときのコストも内装工事費です。
軽鉄・ボード工事費/木工造作工事費
軽鉄・ボード工事費とは、軽量鉄骨を使って骨組みを作ったり、石膏ボードを貼ったりする工事にかかる費用のことです。木材を使用して建物の内部の基礎を作る作業にかかる費用が、木工造作工事費と呼ばれています。
壁紙を剥がすと出てくる下地を骨組みから作る作業が、軽鉄・ボード工事費/木工造作工事費です。キッチンカウンターやテーブルなどを木材で作ってもらう場合、その作業コストは木工造作費に組み込まれます。
電気工事費
電気工事費とは、電気の配線に関わる全ての工事にかかる費用のことです。照明の位置を変えたり、コンセントやスイッチの位置を変えたりする作業にかかるコストが、この電気工事費に含まれています。
畳をフローリングに変えるだけといった小さな工事ではない限り、電気工事が必要です。部屋全体、または家全体の内装工事をする際は、高確率で電気工事費を請求されるでしょう。
空調工事費
空調工事費とは、空調や換気や排気に関わる全ての工事にかかる費用のことです。例えば、埋め込み型の空調設備を作る場合や、ダクトを設置したり換気扇を設置したりする場合は、空調工事費がかかります。
クーラーを新たに設置する場合、空調工事費とは別に電気工事費がかかるでしょう。
床暖房を設置する場合は、空調工事費ではなく電気工事費や木工造作工事費、床暖房の種類によってはガス工事費が請求されます。
水道管工事費
水道管工事費とは、給排水工事費とも呼ばれる、水回りの全ての工事、給水管と排水管を引き込む作業にかかる費用です。経年劣化した水道管を取り替える場合、水道管工事費がかかります。その他にも、次のような場合に水道管工事費がかかります。
- トイレのリフォーム
- バスルームのリフォーム
- 洗面台やキッチンのリフォーム
蛇口の位置を変えたり、蛇口そのものを新しくしたりする場合にも、この水道工事費がかかるでしょう。
ガス工事費
ガス工事費とは、ガスに関係する工事にかかる費用です。バスルームの給湯器をつける場合や、キッチンを新しくしてガスコンロをつける場合などは、このガス工事費がかかります。ガス栓を増設したり、古くなったガス管を交換したりする場合も同様です。先ほども解説しましたが、ガスタイプの床暖房を設置する際もガス工事費が請求されるでしょう。
諸経費
諸経費とは、その他の経費です。現地調査に行くための交通費や、設計のための印刷代、材料の仕入れのための労力などにかかる費用は諸経費に含まれます。その他にも、現場管理のためにかかる費用や材料の搬入費、工事をする人の人件費、通信費などの雑費も諸経費です。リフォームの工事費全体の何%が諸経費として計上されるかは会社によって異なるでしょう。
その他にかかる内装工事の見積もりの項目
上記で解説した項目以外にも、工事内容や業者によって項目が追加される場合があります。内装工事の見積もりにおけるその他の項目については、下記のような費用が挙げられます。
- 建具工事費
- 家具工事費
- 塗装工事費
- 左官工事費
- 金属工事費
- ガラス工事費
- 障子工事費
- 衛生設備費
- 処分費
これらの費用が見積もりにあって、具体的にどのような費用なのか気になるという方は、見積もりの段階で業者に確認してみましょう。
内装工事の見積もりを依頼するときのポイント
ここまで、内装工事の見積もりについて解説しましたが、内装工事の見積もりを依頼するときには、下記の4つのポイントを意識すると良いです。
- 期間に余裕を持って見積もりを依頼する
- 見積もりが有料の業者もあるので注意する
- 相見積もりで複数の業者を比較する
- 価格の根拠を業者に確認する
それでは、詳しく解説しますね。
期間に余裕を持って見積もりを依頼する
内装工事の見積もりを依頼するときの最初のポイントは、期間に余裕を持って見積もりを依頼することです。先ほどお伝えした通り、見積もりが提示されるまでには、内装工事業者選び、打ち合わせ・現地調査、設計プランの作成などの工程があります。そのため、見積もり書を受け取りたい日から、それぞれのステップにかかる期間を逆算した上で見積もりを依頼するのがおすすめです。
見積もりが有料の業者もあるので注意する
内装工事の見積もりは、無料で行ってくれるところもありますが、有料の業者もあるので注意してください。無料だと思って依頼をしたら費用を請求されたということになりかねないので、見積もりにかかる費用についてもあらかじめ確認しておくと良いでしょう。
相見積もりで複数の業者と比較する
先ほども解説しましたが、見積もりは複数の業者に依頼をすると安心です。一社だけに依頼をすると、その業者が提示した見積もりが相場よりも高いのか低いのかを判断できません。請求額の妥当性を判断するためにも、相見積もりで複数の業者が提示した価格を比較するのがおすすめです。
価格の根拠を業者に確認する
内装工事の見積もりを依頼する際には、価格の根拠を業者に確認しておくようにしましょう。見積もりで気になる点を質問すれば、誠実な業者であれば見積もり金額の根拠となる業務の詳細を教えてくれるはずです。
先述の通り、目に見えない工程にかかる費用もあるので、費用が高すぎると感じた場合や疑問を感じた点がある場合は、納得ができるまで確認をしましょう。
まとめ
内装工事の見積もりは、内装工事業者選び、打ち合わせ・現地調査、設計プランの作成が完了してから行われるという流れです。そのため、内装工事を行いたい時期が決まっている方は、それぞれどのくらいの期間がかかるのかを把握した上で、いつ依頼をするのが良いのかを検討しましょう。
内装工事の見積もりをご検討中の方は、ぜひ山吉吉田にご相談ください。法人向けから個人向けまで幅広く内装工事を手掛けており、実績も豊富なので安心してご相談いただけます。見積もりは無料で行っているので、まずはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。