内装工事にかかる費用相場を業種・物件状態ごとに詳しく紹介
2023/06/09
コラム

「内装工事をしたいと思っているけど、費用がどのくらいかかるのか不安」「内装工事の費用相場が知りたい」と思っている方は多いのではないでしょうか。

そんな方のためにこの記事では、内装工事にかかる費用相場を、物件の状態や業種別に紹介していきます。内装工事で発生する単価や内装工事の項目、内装工事で失敗しないためのポイントなども解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

物件の状態ごとの内装工事にかかる費用相場

店舗の内装を一新して新たな雰囲気で店をオープンすることを検討している人もいると思いますが、やはり気になるのは内装工事にかかる費用です。内装工事を行うにはどのくらいの資金を用意すれば良いのでしょうか。内装工事に必要な費用は、物件の状態によって違います。店舗物件には居抜き物件とスケルトン物件の2種類があるので、それぞれの費用相場について紹介します。

店舗ではなく自宅の内装工事を行いたいという方は、「全面リフォームにかかる費用は?築年数・床面積別に詳しく紹介」の記事を参考にしてみてください。

居抜き物件

居抜き物件とは、以前の店舗をそのまま売りに出している物件のことをいいます。今までの内装や設備、備品などが残っている物件を指しますが、そっくりそのまま残されていることもあれば一部の設備のみが残っているなど、状況はさまざまです。

居抜き物件の内装工事にかかる費用の相場は、1坪当たり15万円から50万円ほどと幅があります。居抜き物件の場合、以前の内装や設備をうまく活用できれば費用を抑えられますが、その分レイアウトやデザインなどには制限があるので注意しましょう。

スケルトン物件

スケルトン物件とは、建物が躯体だけになっている状態の物件のことをいいます。床や壁、天井、内装、設備などは何もありません。スケルトン物件の場合、一からレイアウトを行うので、デザインやレイアウトを思い通りに決められるというメリットがあります。スケルトン物件の内装工事にかかる費用相場は、1坪当たり30万円から80万円ほどです。居抜き物件と比べると工事内容が増える分、費用が高くなります。特に、グレードの高い建材や設備を導入すると費用が高くなるでしょう。

業種別の店舗内装工事にかかる費用相場

一口に店舗といっても、レストランやカフェなどの飲食店もあればアパレル店、雑貨店、美容院など色々なジャンルがあります。業種によって店舗に必要な設備は違いますし、イメージに合う内装なども違ってくるでしょう。

そのため、業種ごとに、店舗の内装工事にかかる費用相場も変わってきます。ここでは、飲食店や美容院、エステサロン、アパレル店、オフィスなどの費用相場を紹介するので、参考にしてみてください。

飲食店・カフェの例

飲食店の場合、1坪当たりの内装工事の費用相場は30万円から80万円ほどです。飲食店は以前の店舗をそのまま活用する居抜き物件も多いですが、その場合の費用相場は30万円から60万円ほどになります。スケルトン物件の場合には居抜き物件よりも割高で、50万円から80万円ほどかかる傾向です。

また、本格的な料理を提供することが少ないカフェやバーなどは、簡単な厨房設備で良いので、レストランや居酒屋などと比較すると内装工事の費用が抑えられます。厨房設備は高額になりやすいため、本格的な設備が必要なレストランや居酒屋などは工事費用が大きくなりがちです。

美容院・サロンの例

美容院やヘアサロン、ネイルサロンなどの場合、1坪当たりの内装工事の費用相場は20万円から70万円ほどになります。居抜き物件であれば20万円から40万円ほど、スケルトン物件だと40万円から70万円ほどが相場です。

美容院やヘアサロンの場合には、髪の毛を洗うシャワーなどの設備が設置されるので、水道配管の設備が必要になります。また、これらの店舗は雰囲気も売りにしているので、インテリアや内装にこだわることも多いです。そうすると費用が70万円を超えることもあります。

エステ・整骨院の例

エステサロンや整骨院の場合、20万円から100万円と費用相場は幅広いです。個人で経営しているエステサロンや整骨院の場合はベッド数が少なく、一つだけのところもあります。飲食店の厨房設備のような大掛かりな設備は必要ないので、居抜き物件であればかなり安く済ませられる場合もあります。内装などによっては、20万円ほどしかかからないこともあるでしょう。

また、複数のエステティシャンや整体師が働いている店舗では、複数の個室を用意するなどの大規模な工事になることも少なくありません。インテリアなどの内装にこだわると、100万円を超える可能性も考えられます。

アパレル・雑貨店の例

アパレル店や雑貨店の内装工事の費用は、飲食店や美容院などの業種に比べると割安です。高額な厨房設備も必要ありませんし、コンセントを増設したりシャワーを設置したりする必要もありません。

1坪当たりの費用相場は20万円から40万円ほどとなっています。居抜き物件であれば20万円〜30万円ほどで、スケルトン物件であれば30万円〜40万円ほどになります。エステサロンや整体院とも違い、個室を用意する必要がないのも特徴です。

ただし、アパレル店や雑貨店も空間作りが店舗の売上を左右するので、コンセプトに合った空間を作るためにインテリアや内装にこだわると費用がかさむこともあります。

オフィスの例

オフィスの内装工事にかかる費用の相場は、1坪当たり10万円から40万円ほどです。居抜き物件であれば20万円前後で、スケルトン物件の場合には30万円前後が相場となります。オフィスも大掛かりな設備などは必要ないので、さまざまな業種の中でも特に割安に済ませられるでしょう。

オフィスに必要な設備といえば、消防設備やエアコンなどの空調くらいです。元々がオフィスだった居抜き物件を利用する場合、10万円ほどで内装工事を終えられることもあるでしょう。ま

た、オフィスの場合には1フロアを区切らずに使用すると費用を抑えられます。会議室や応接室など、細かくスペースを区切ると費用がかさんでくるでしょう。

内装工事で発生する単価

内装工事では「人工単価」と「フローリング単価」の2種類の単価が発生します。どちらの単価も費用を検討する上では欠かせないものなので、内装工事を依頼する際にはできるだけ人工単価とフローリング単価がいくらなのか把握しておくようにしましょう。

人工単価

人工単価とは、実際に工事を行う職人などに対して支払う金額をその人数で割った金額です。簡単にいえば人件費のことですが、人工単価は職人1人当たりにいくらかかるかを表します。

内装工事を請け負う業者によって人工単価は異なりますが、相場は1人工当たり2万円ほどです。業者や工事内容によって、1人だけで作業をする場合もありますし、複数人が同時に作業を行う場合もあります。

工事に参加する人が多ければ作業時間は短縮できますが、作業を行った人数分の費用が発生してしまうので、注意が必要です。工事は人の手で行うものなので、必ず発生する費用といえます。

フローリング単価

フローリング単価とは、床材を張替える場合に用いられる単価です。床を張替えるに当たって、1平方メートル当たりにかかる費用がフローリング単価になります。通常使われているような床材であれば、フローリング単価は1,000円~1,500円ほどです。ただし、グレードの高い床材を使用する場合には、フローリング単価も上がります。

また、見積書などで確認する場合には、フローリング単価に工事費が含まれているかどうかもチェックポイントになります。工事費が含まれておらず別途請求されることもあるので、注意が必要です。

店舗内装工事の項目

内装工事にはさまざまな種類があり、工事の内容は多岐に渡ります。ここでは、店舗内装工事の項目について見ていきましょう。居抜き物件かスケルトン物件かによって必要な工事には違いがありますし、店舗の業種によっても工事内容は変わってきますが、どんな工事があるのかの参考にしてみてください。見積書の内訳を見る際にも役立つでしょう。

解体工事

解体工事は、内装材を解体して撤去する工事のことです。床や天井なども内装材になりますし、電気配線や排気ダクト、エアコンなどの空調も含まれています。スケルトン物件の場合には、すでに全ての内装材が撤去されている状態なので解体工事は発生しません。居抜き物件の場合には、どの部分をそのまま活用してどの部分を撤去するのかを決める必要があります。解体工事は、解体する範囲が広くなればなるほど費用も増えていきます。

造作工事

造作工事とは、建物内部の下地を造る工事になります。具体的には、天井や床、階段、壁、建具、窓枠、窓台などが挙げられます。造作工事は店舗のベースになるもので、仕上がり具合に大きく影響します。

例えば、壁は平らに作りますが、造作工事の段階で凹凸があると壁紙を綺麗に貼ることができません。また、壁は空間を仕切るものなのでレイアウトにも大きく関わっていますし、窓枠なども寸法通り正確に設置する必要があるのです。造作工事の段階で作り付けの家具の設置なども行います。

設備工事

設備工事とは、店舗に必要な設備を設置する工事のことをいいます。必要な設備は業種やそれぞれの店舗によって異なりますが、水道や電気、ガス、空調などが含まれるのが一般的です。場合によっては配管工事が含まれることもあります。

飲食店では、設備工事費のうちの大部分を厨房設備が占めています。グレードの高い設備を設置すればその分高くなるので、少しでも安くしたい場合には中古の設備を活用すると良いでしょう。同じ飲食店でも、提供するメニューによって必要な設備には違いがあります。

電気工事

電気工事は、電気の配線やコンセント・スイッチの取り付けなどを行う工事のことです。コンセントを増設するには電気の配線を増やさなければなりませんし、業務用の機器を使用するには従来の電圧では不足してしまうこともあります。その場合には、幹線の引き換え工事も必要になります。

居抜き物件などでコンセントやスイッチをそのまま使用できる場合には電気工事が必要ないこともありますが、照明やコンセントの位置を変えたいときには電気工事が必要です。

空調工事

空調工事とは、エアコンなどの空調設備を設置する工事です。店舗で使われている空調にはいくつか種類があり、それによって費用も異なります。例えば、天井から吊るタイプの業務用エアコンの場合、パワーがあるので広い店舗に向いていますが、他のエアコンに比べると設置するコストが割高です。

また、室外機の設置場所によって費用が高くなることがあるので注意してください。室外機は室内のエアコンと距離が離れるほど、作業する手間がかかるので費用が高くなっていきます。クレーンで室外機を吊り上げて高い場所に設置しなければいけない場合なども、コストが高くなるでしょう。

外装工事

外装工事は、建物の外観部分の工事のことです。外壁を塗り直したり、看板を設置したりする工事になります。居抜き物件などの場合は、できるだけコストを抑えるため外装工事は省かれることが多いです。

事務所やオフィスなどの一般客を迎える機会が少ない業種の場合には、あまり外装にはこだわりません。反対に、アパレル店や美容院などは外観によって集客力が大きく違ってきます。外装は一番人目に触れる部分なので、ブランドイメージに直結するでしょう。

諸経費

諸経費は、内装工事に付随して発生する細々とした出費です。例えば、作業員同士が連絡を取り合うための通信費が含まれることもありますし、作業する職人の労務管理費などが含まれることもあります。また、現場に移動するための交通費などが諸経費として扱われるケースも少なくありません。

諸経費の範囲は幅広く、個々の企業によっても何を諸経費とするのかには違いがあります。内装工事費全体の5%から10%程度が目安です。

内装工事で失敗しないためのポイント

内装工事で失敗しないためのポイントとしては、大体の予算を事前にしっかりと決めておくことが挙げられます。新しくお店をオープンするときには、理想の店を作りたいと意気込んで、あれもこれもとこだわっているうちに費用が膨らんで予算をオーバーしてしまうことが多いです。

費用をかけすぎると今後の運営にも支障が出るので、無理のない予算を事前に組んで、その範囲に収まるようにすることが重要です。

店舗内装工事の予算を考えるときの注意点

店舗の内装工事の予算を考えるときには、気を付けておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、店舗内装工事の予算を考えるときの注意点を2つ解説します。

  • 予算に合う金額で依頼する
  • 納得できるまで業者と話し合う

順番に見ていきましょう。

予算に合う金額で依頼する

内装工事を依頼する場合には、予算に合った内容や金額で業者に依頼する必要があります。大雑把に見積もっただけだと、後から思わぬ費用が発生することもあるので、提示された見積もりの内容は詳しくチェックしておきましょう。

また、見積もりの段階で予算ギリギリまで使い切ってしまうと、後から費用が発生した際に予算をオーバーしてしまいます。そのため、予算の80%程度の金額で業者に見積りを依頼しておくと、追加費用が発生した際にも慌てる心配がありません。

内装工事の見積もりについては、「内装工事の見積もりの流れは?確認すべき項目や依頼時のポイントも解説」の記事で解説しています。

納得できるまで業者と話し合う

内装工事は店内の雰囲気を決めるために重要なポイントです。自分の理想の店舗を作るために、レイアウトや設備などのこだわりをしっかり業者に伝えて、業者から提示された見積もりに納得ができない場合は納得できるまで話し合いをしましょう。

内装は簡単に変えられるものではないので、最初の工事の段階で妥協をしてしまうと、今後ずっと後悔し続けることになる可能性もあります。妥協をするにしても、自分が納得できる妥協案を探るようにしてください。

電気のコンセントの位置一つとっても、それによって使い勝手が大きく異なる場合もあります。専門家のアドバイスを受けながら、細かい部分まで丁寧に話し合いましょう。

まとめ

内装工事にかかる費用は、店の業種や物件の状態によって大きく異なります。以前の内装をそのまま活用する居抜き物件のほうが、内装を一から作り上げるスケルトン物件よりも費用は少なくて済みます。ただし、レイアウトや内装の自由度はスケルトン物件のほうが上なので、どんな店舗の内装にしたいのかなどに合わせて選ぶようにしましょう。

内装工事を検討している方や、内装工事にかかる費用を詳しく知りたい方は、ぜひ山吉吉田にご相談ください。神奈川を中心に営業していて、個人店から大規模な施設や工場まで幅広く対応しております。内装工事を検討している方は、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

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