改修工事にかかる費用相場はどのくらい?建物別・場所別に詳しく解説
2023/03/12
コラム

「改修工事をしたいと思っているけど、どのくらいの費用がかかるのか不安」「工事内容によって費用が全然違うから相場が分からない」という人は多いのではないでしょうか。

そんな方のために今回は、改修工事にかかる費用を建物別・場所別に詳しく解説していきます。改修工事の費用を抑えるポイントも合わせて紹介していくので、費用について詳しく知りたい、少しでも費用を抑えたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

改修工事とは

改修工事と聞くと、経年劣化や損傷した建築物を修繕することをイメージしている方もいるかと思います。どれだけメンテナンスをしていても、10年20年と経てば修繕が必要な部分が出てくるでしょう。

もちろんこういった修繕も改修工事の一面ですが、一般的には修繕にプラスして建築物の機能や性能をより良くする工事を改修工事といいます。より良い設備に変更する、バリアフリー化するなど、改修工事の内容や規模はそれぞれです。

改修工事についてより詳しく知りたい方は、「改修工事の種類は?修繕工事との違いやメリットも合わせて紹介」の記事をご参照ください。

【建物別】改修工事にかかる費用

基本的に、建物を改修工事するにはそれなりに大きな費用がかかりますが、改修工事の費用はピンからキリまで幅広く、建物の種類によっても大きく変動します。そこで今回は、具体的にどういった建物の改修工事にどのくらいの費用がかかるのかという目安を見ていきましょう。

  • 病院
  • 学校
  • 工場・倉庫
  • マンション
  • 一戸建て

それぞれ解説していきます。

病院

病院やクリニックは清潔で安全な建物が求められるため、改修工事は重要です。工事の規模や内装によっても改修工事の費用は変動しますが、一般的に坪単価でおよそ40万円~45万円程度はかかるといわれています。

トイレなどの一部だけ改修工事する場合はこの限りではありませんが、それなりの範囲で改修工事が必要なのであれば、坪単価40万円程度はかかると考えておいたほうが良いでしょう。

改修工事に合わせて椅子などの備品の入れ替えも行う場合は、別途費用がかかってきます。また、外装まで含めて工事する場合は、ここからさらに費用が上乗せされるので注意が必要です。

学校

学校施設の老朽化問題は深刻で、改修工事が必要な事例は非常に多いです。そんな学校の改修工事では、明確な相場というものがありません。施設の大きさがそれぞれで大きく異なる上に、危険度の高い部分のみ改修工事を行うといったケースも多いためです。

改修工事ではありませんが、学校の建築費用は鉄筋コンクリート造の場合だと全国平均の坪単価は110.3万円です。地域による格差もあるものの、一つの目安にはなるでしょう。学校の改修工事の費用は税金でまかなわれますし、実際には費用の見積もりをとってから予算内で判断していくことになるでしょう。

工場・倉庫

工場や倉庫の改修工事も、内容や規模によって費用は大きく異なってきます。実際の費用は見積もりが必要ですが、ここでは目安としていくつか見ていきましょう。

例えば、屋根の改修工事を行う場合、既存の屋根をそのままに行うカバー工事は5,000円~15,000円/㎡程度です。屋根自体を一度撤去する葺き替え工事は、10,000~50,000円/㎡程度になります。

 

50坪の屋根の塗装をする場合は、以下の通りです。

  • ウレタン:80万円~
  • シリコン:100万円~
  • 高機能性塗料:110万円~

 

50坪の外壁塗装を行う場合は以下の通りです。

  • ウレタン:70万円~
  • シリコン:80万円~
  • 高機能性塗料:90万円~

マンション 

マンションの大規模修繕工事の費用は一戸あたり、およそ81万円〜100万円となっています。もちろん具体的な金額は業者や改修工事の内容によって変動しますが、あまり大きく外れることはないでしょう。

また、床面積で見ると11,931〜13,096円/㎡が相場となっているので、これらを組み合わせて考えると、おおよその改修工事費用は見えてきます。実際の改修工事を行う際には複数の業者に見積もりをとって、相場とのズレを確認しましょう。

一戸建て 

一戸建ては、家の状態によって改修工事がどの程度必要なのかが大きく変動します。水回りのみで済ませる場合の費用は200万円~500万円ほどですが、ほぼ新築同然にするケースだと1,000万円以上の費用がかかってしまいます。

古い一戸建てで優先して改修工事が必要なのは屋根と外壁、場合によっては耐震工事でしょう。それぞれの相場は以下のようになっています。

  • 屋根:80万円~200万円
  • 外壁:50万円~300万円
  • 耐震工事:150万円~200万円

【場所別】改修工事にかかる費用

改修工事の相場は、全体の工事なのか一部分だけの改修工事なのかによって費用は大きく変わります。予算の都合で一部分だけを改修工事したいというケース、そもそも修繕が必要な箇所だけ工事したいなど、人によって要望はさまざまでしょう。

そこで、ここでは場所によってどの程度の費用がかかるのか、個別に相場を紹介していきます。

  • キッチン
  • トイレ
  • 風呂・浴室
  • 内壁
  • 外壁・屋根
  • 耐震
  • 断熱
  • 全面

自分が気になっているところを見ながら、参考にしてみてください。

キッチン

キッチンを改修工事する場合の相場は、およそ50万円~150万円ほどです。例えば、システムキッチンを入れ替えるといった最低限の改修工事であれば100万円以下に収まることが多く、レイアウトとシステムキッチン自体のグレードによって価格が変動していきます。

壁付のキッチンをアイランドに変更するといった大きなレイアウト変更を行うケースでは、給排水まわりの工事も必要となるので、100万円以下に抑えるのは難しいでしょう。大幅な変更に加えてグレードの高いキッチンへ変更する場合は、200万円を超えてしまうケースもあります。

トイレ

トイレは広さもなく大幅な工事が必要ないケースがほとんどなので、比較的安価に改修工事を行うことが可能です。一般的には、20万円~50万円ほどあれば問題なく工事が行えます。入れ替えるトイレのグレードを抑えれば、15万円程度まで費用を下げることも可能です。

ほとんどのケースでは、すでにある洋式便器を新しい洋式便器へ変更するといった内容になるかと思いますが、とても古い建物の場合は和式から洋式へ変更するといったケースもありますよね。こういった和式から洋式への変更が必要なケースや、部屋自体を広くする工事が必要なケースでは、50万円以上かかってしまうこともあります。

それでもトイレの改修工事のほとんどは100万円以下に収まっていますので、よほど大掛かりでない限りは100万円以下になるでしょう。

風呂・浴室

風呂・浴室の改装工事の相場は、一般的に50万円~150万円程度となっています。ユニットバスからユニットバスへの入れ替えは、50万円~80万円程度と比較的安価で、100万円以内で完了するほどです。

ユニットバスの場合は、工事にかかる時間自体もかなり短縮されます。ユニットバスでない場合は、改装工事の際に解体が必要になるので余分に時間と費用がかかる傾向です。それでも、風呂・浴室の改修工事全体のうち、8割近くは150万円以内に収まります。

ただし、広さを広げるといったリフォームをしたい場合は、さらに費用がかかる可能性があるので注意してください。

内装

部屋の内装の改装工事にも、細々とした部分で費用がかかってきます。例えば、部屋の中に壁を追加して間仕切りしたい場合の費用は、15万円~20万円程度です。

床に関しては、フローリングか畳かにもよりますし、広さによっても費用が変動してきます。フローリングの場合だと1平米ごとに1.3万円~2.7万円ほどの費用がかかるのが一般的です。

扉などはドア枠を含めて10万円前後、壁紙は6畳程度で4万円~6万円程度、塗装する場合は5万円~10万円程度かかります。ほとんどの場合は広さと費用は比例しますので、部屋の広さで費用を考えていきましょう。15畳程度の部屋だとおよそ30万円ほどが費用としてかかってきます。

外壁・屋根

外壁の改修工事は、塗料を塗るのが主な作業として挙げられます。塗料の種類と塗る範囲によって相場は変動してきますが、一般的に50万円~150万円程度に収まることが多いです。塗料によって、坪単価1.2万円~2万円オーバーまでの範囲があり、外壁の状態と使用する塗料によっては300万円近くの費用がかかるケースもあります。

また、屋根は塗料を塗る工事の場合は100万円以内で収まるでしょう。既存の屋根を撤去する場合は、費用がおよそ50万円ほど上乗せされ、100万円~150万円ほどになります。もちろん屋根も状況や範囲によって価格が変動し、場合によっては300万円近くの費用になるケースもあるため、必ず見積もりをしてもらいましょう。

耐震

古い建物の場合は、耐震の改修工事が必要なケースもあります。耐震の改修工事にかかる費用はピンキリですが、耐震パネルに変更したり耐震金具を取り付けたりといった一般的な補強をする改修工事であれば、相場は25万円~200万円程度です。元々の建物の耐震性や工事を行う範囲などによって金額が変動しますが、多くの場合は150万円程度に収まります。

また、状況によってはスケルトンリフォームを行うケースもあるかと思いますが、この場合は一気に費用が跳ね上がり、1,000万円~2,000万円と非常に高額な改修工事費用となります。

耐熱

耐熱・断熱の改修工事もかなり費用が変動しますが、多くのケースだと耐熱の相場は200万円程度に納められます。建物全体を耐熱仕様にする場合は工事する範囲が非常に広く、300万円~500万円ほどかかってしまう可能性もあるでしょう。

建物の作りや広さなどにもよりますが、1,000万円を超えるケースもあるため、場合によっては非常に高額な改修工事費用になります。耐熱の改修工事には補助金が出ることも多いので、補助金の金額も検討しながら決めていくと良いです。

全面

一部だけでなく、全面的に改修工事を行ってしまいたいという人もいるでしょう。例えば、耐震性を高める、耐熱性を高めるといった工事は。全面的に行ったほうが効率が良いです。しかし一方で、全面リフォームは改修工事の費用が高額になりがちです。

多くのケースで1,000万円を超える費用がかかる上に、工事内容や広さによってはさらに高額になることも当然あります。

一戸建てで全面の改修工事を行う場合、工事内容の自由度が高いので、相場は坪単価10万円~70万円ほどと非常にバラつきがあります。マンションの場合は自由度が少し下がり、坪単価が17万円~60万円と差が小さくなる傾向です。

改修工事の費用を抑えるポイントは?

改修工事は深く考えずに行うと、非常に高額になって後悔してしまいがちです。費用を抑えるべきポイントを知っていれば、必要最低限の改修工事費用で安価に済ませられるかもしれません。少しの工夫で何十万円あるいは何百万円も差が出る可能性もあるので、ここでは費用を抑える方法を見ていきましょう。

どこの改修工事を行うのかを明確にする

改修工事を行う際、どこかしら直したい場所があって業者に見積もりをお願いすると思います。このときに、直すべき場所を明確にしておけば、最低限の範囲の改修工事で済ませることが可能です。

業者は基本的に改修工事を行う範囲が広いほど利益が出るので、それほど直す必要がない部分の工事も提案してくるところもあります。あまり改修工事が必要ではないところまで工事をすると、あっという間に費用が高額になってしまうため、直すべき部分はどこなのかをしっかりと考えて目的を明確にしておくことは大切です。

一方で、実際に目に見えない範囲で建物が傷んでいるケースもあります。提案された工事が本当に必要かどうか、自分でしっかりと判断するようにしてください。

現在の状態から行いやすい工事内容を選ぶ

改修工事の前後の状態によって、改修工事の費用が大きく異なるケースも珍しくありません。

例えば、キッチンなどの工事を行う場合を考えてみましょう。キッチンの配置を変更する際、配置によっては、給排水の工事を行わなければいけない可能性があります。給排水設備の位置を変える工事を行えば、それだけ費用がかかるのは当然です。しかし、レイアウトを工夫すれば給排水の工事が必要なくなり、それだけ費用を抑えられます。

このように現状の状態を維持してうまく改修工事を行えば、必要最低限の工事費用で問題を解決することが可能です。現状の設備を流用すれば、費用を抑えられるだけでなく工事期間が短縮できるというメリットもあります。

複数の業者に見積もりを依頼する

改修工事に限りませんが、大きな費用がかかるものは複数の業者に見積もりを依頼するのがおすすめです。業者によって得意な分野が異なり、同じ工事をするにしても費用に差が出るというのは珍しくないでしょう。

一社だけに見積もりをお願いした場合は、その価格が適正であるかどうかの判断も難しく、悪徳業者がとんでもない工事費用を見積もってくる可能性もあります。こういったリスクがあるため、基本的には複数の業者へ見積もりするのが良いでしょう。

また、先ほども解説した通り、追加で改修工事したほうが良いと業者から提案される場合もあります。そういった部分に関しても、複数の業者に見積もりをしてもらえば、本当に必要な工事なのかの判断材料にできるでしょう。

まとめ

改修工事は小規模なものから大規模なものまでさまざまで、工事内容によって費用が大きく異なります。一般的に改修工事は頻繁に行うものではないので、費用相場が分からないというのは普通のことです。

どのような改修工事を行うのが良いのか、どの程度の費用がかかるのかなど、事前に知識を仕入れておけば、改修工事で失敗するリスクを軽減できるでしょう。記事を参考に、適切な費用を提示してくれる、信頼できる業者に依頼をするようにしてください。

改修工事を依頼する業者にお悩みの方は、ぜひ山吉吉田にご相談ください。工場や病院などの法人様向けの改修工事から、一軒家やマンションなどの個人様向けの改修工事まで、幅広く対応しております。お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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