小児科クリニックの内装は安心設計が大切!部屋ごとのポイントを解説
2023/03/03
コラム

小児科クリニックの内装について知りたい、小児科クリニックの内装工事をしたいと思っている人は、どういう点に注目すれば良いのでしょうか?小児科クリニックは赤ちゃんから小中学生まで利用するクリニックなので、子どもにも親にも安心感を与える内装にすることが大切です。

今回は、そんな小児科クリニックの内装デザインに関するポイントについて解説していきます。部屋ごとの内装レイアウト、内装工事にかかる費用・期間なども合わせて紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

小児科クリニックの内装デザインのポイント

小児科クリニックの内装デザインでは、赤ちゃんや子ども特有の行動に気を付けて設計しなければいけないなど、他の診療科とは異なる視点を持たなければいけません。ここでは、小児科クリニックの内装デザインのポイントを4つ解説していきます。

  • 患者同士が接触しない動線
  • 赤ちゃんや幼児のための安全設計
  • 衛生面にも注目した安全対策
  • 落ち着ける快適なデザイン

それぞれのポイントについて見ていきましょう。

患者同士が接触しない動線

小児科クリニックの内装デザインでは、患者同士が接触しない動線を作りましょう。これは、子ども同士が接触することによる感染を避けるためです。小児科は一般の内科と比べて、水ぼうそう・おたふくかぜ・ロタウイルスなど、子ども特有の感染症の種類が多い傾向にあります。

しかし、全員が治療に訪れているわけではなく、患者の中には予防接種やアレルギー治療に訪れる子どもも少なくありません。そのため、小児科クリニックでは、感染症ではない患者と感染症の患者とが接触しないような動線設計を作る必要があります。患者同士が接触しない動線になっている小児科は、親にも安心感を与えられるでしょう。

赤ちゃんや幼児のための安全設計

赤ちゃんや幼児のための安全設計をするのも、内装デザインのポイントです。小児科クリニックでは、他の診療科目よりも特に安全性が高い設計にすることが求められます。なぜなら、赤ちゃんや子どもは、不意に転んでしまったりぶつかってしまったりするリスクが高いからです。

不意に転んでも怪我をしないように、床や壁には柔らかい素材を選択する、受付カウンターや柱は角のない丸みのあるデザインを採用するといった対策をすると良いでしょう。

さらに、玄関・トイレの段差は極力なくすと、子どもが段差につまずいて転んだり転落したりといった心配がなくなります。段差がなくなればベビーカーの移動も簡単になるので、保護者の負担を減らすことも可能です。

また、子どもだけで勝手に院外に出てしまわないように、自動ドアのタッチパネルが少し高い位置にあるものを選ぶといった対策も、安全設計の一環といえます。

衛生面にも注目した安全対策

小児科クリニックの内装デザインでは、安全性だけでなく衛生面にも注目しましょう。生後半年から1歳頃の赤ちゃんは、床に手をついてハイハイしたり、いろんなものを舐めたり口に入れたりします。そのため、壁や床などの衛生面にも注意しなければいけません。

具体的には、院内では土足を避ける、床・壁・ベンチなどに抗菌素材を使用するといった対策があります。また、冬は床暖房システムを導入すると、子どもがヒーターに近づくリスクを軽減できて暖かさも保てるのでおすすめです。

落ち着ける快適なデザイン

子どもにとって病院は、あまり行きたくないところとして印象づけられていることも少なくありません。そんな苦手意識を抑えるためには、「落ち着ける快適なデザイン」を意識した内装にするのも大切です。

病院が落ち着けるデザインになっていれば、待ち時間の長い病院でも子どもにストレスがかかることがなく、待ち時間にぐずり出して保護者が周囲に気を使いながらあやさなければいけないといった辛さも軽減できるでしょう。

少しでもリラックスしてもらえるようなデザインにするには、パステルカラーや木のぬくもりを感じさせる素材を使った内装にするなどの方法が効果的です。他にも、おもちゃや絵本を置くスペースを用意する、ベビーベッドやサークルを設置するといった対策も良いでしょう。

また、注射している子どもの泣き声が待合室まで聞こえてくると子どもが不安になってしまうので、注射をする処置室は待合室から遠い位置にするなどの工夫も大切です。小児科クリニックでは、少しでもリラックスしてもらえるようなデザインを取り入れ、子どもがリラックスできる空間を作るように意識をしてください。

小児科クリニックの部屋ごとの内装レイアウト

小児科クリニックの内装デザインのポイントを理解したところで、部屋ごとの内装レイアウトについて詳しく見ていきましょう。小児科クリニックで主に必要な部屋は、下記の5つです。

  • 入口
  • 受付
  • 待合室
  • 診察室
  • トイレ

子どもが苦手意識を持たない、行きたくなるような小児科にするにはどうすれば良いのか、それぞれの部屋ごとの内装のポイントを抑えて解説していきます。

入口

入口は、小児科クリニックの顔ともいえる部分です。入口から一直線に診察室や待合室があるデザインだと、入口を開けた瞬間に診察室が丸見えになってしまい、保護者にも子どもにも不安を与えてしまいます。さらに、処置をされているときに、入口から見られていると思うと患者は落ち着かないですよね。

そのため、入口から診察室が見えないような構造にする必要があります。入口からは受付がまず見えるようにして、受付を経由して待合室に向かい、そのあと診察室に向かうという動線がベストといえるでしょう。近年ではコロナウイルスの感染が不安視されているため、喚起のために入口を開けていても診察室が見えないような作りにすることが大切です。

受付

小児科クリニックで、入口の次に患者の目に入るのが受付です。清潔感や明るさを意識したデザインにすると、子どもや保護者の不安を軽減できます。また、受付で長時間患者を待たせると不信感を与えてしまうため、患者が来たことがすぐにスタッフに分かるように、出入口の近く、できれば正面に受付をレイアウトするのがおすすめです。

受付には、書類や電子カルテ、プリンター、レセコン、レジなど、さまざまなものを置く必要があるので、広めの空間にしましょう。患者の数が増えたり忙しくなったりする時期には、受付スタッフを増やさなければいけないということもあります。その際に狭苦しい空間にならないように、余裕を持ったスペースが用意できると良いです。

さらに、受付スタッフは女性が多いため、女性でも手の届きやすいレイアウトを意識してください。たくさん収納したいからといって高い位置に収納棚を用意すると、使いにくくて実際にはほとんど使われていないということにもなりかねません。

待合室

受付を済ませたら、患者は次に待合室に向かいます。小児科は感染症に気を付けなければいけないと解説しましたが、近年はコロナウイルスの影響で、さらなる感染症対策が求められています。間隔を空けて座れるように広めにスペースを確保するなど、感染症を防ぐための方法を考えながらレイアウトを決めましょう。

また、患者が緊張してしまわないように患者同士の視線が合わないレイアウトにする、などの工夫も大切です。

診察室

小児科クリニックの内装で特に重要なのが診察室です。小児科クリニックでは、子どもと一緒に保護者や同伴者が診察室に入ることがほとんどなので、スペースを広めに用意してください。

保健所の基準では、標準面積9.9平方メートルという指針があります。必須ではないので実際はもっと小さくても問題はありませんが、あくまで指標として参考として頭に入れておきましょう。

また、診察室の会話が待合室に聞こえていると、相談をするのにためらってしまう人もいます。診察室の音が漏れないように、防音対策をしっかりと行うようにしてください。

トイレ

最後に、トイレの内装レイアウトについても解説していきます。トイレは誰もが利用する可能性のあるものなので、子ども視点、保護者視点など、さまざまな点から注目してレイアウトを検討してください。

例えば、子どもを持つ親に多い悩みが、子どもがトイレの鍵を開けてしまうことです。低い位置に鍵があると子どもが簡単に開けられてしまうので、低い位置と高い位置に2つ鍵を取り付ける、トイレのベビーチェアから手が届かないところに鍵を取り付けるなど、保護者視点の悩みなども意識しましょう。

また、検尿をする可能性もあるため、トイレ内から処置室へと検尿の受け渡しパスボックスが設置されていると安心です。

小児科クリニックの内装工事にかかる費用・期間

ここまで、内装デザインのポイントや部屋ごとのレイアウトのコツを紹介しましたが、これらの内装工事を行うためには、どのくらいの費用・期間がかかるのでしょうか。詳しく解説していきます。

費用

クリニックの内装工事に必要な費用は、クリニックの規模や医療設備によって異なりますが、400万円から700万円程度と考えておきましょう。坪単価で考えると、約40万円〜/坪を目安としておくと良いです。

希望条件によって費用は大きく変わるため、自分が作りたい小児科クリニックの場合にはどのくらいの費用がかかるのか、まずは見積もりを出してもらってください。内装工事とは別に、設計事務所や工務店に設計図の作成を依頼するための設計費用などもかかるため、内装工事費用だけで予算限界まで使い切らないように注意しましょう。

期間

小児科クリニックの内装工事にかかる期間は、大体1ヶ月半から2ヶ月程度です。しかし、内装業者の選定や打ち合わせの期間を含めると、7ヶ月ほどかかるでしょう。内装業者を選定して平面図やパース作成などを行ってもらうのに1ヶ月から2ヶ月ほど、レイアウトや設計などの打ち合わせから契約までは2ヶ月から3ヶ月ほどと考えると良いです。

内装のコンセプトが決まっていない、何度も繰り返し打ち合わせをしてレイアウトを決めていくということであれば、さらに時間がかかる可能性もあります。内装業者を選ぶ前に、ある程度コンセプトやレイアウトのイメージを決めておきましょう。

小児科クリニックの内装での注意点

小児科クリニックの内装では、注意点もあります。ここでは、下記の2つの注意点について解説していきます。

  • 法律や条例に気を付ける
  • 電気や水道などの設備にも配慮する

それぞれ見ていきましょう。

法律や条例に気を付ける

小児科クリニックの内装を行う際の注意点として、法律や条例に気を付けることが重要です。内装に関係のある法律や条例としては、建築基準法や消防法、医療法、バリアフリー法などが挙げられます。

建築基準法は、建築物の構造や設備などに関する基準を定めた法律で、クリニックは20床以上あるかどうかで規定が大きく異なります。19床以下だったとしても、1床でも入院ベッドがあり、延床面積が100平方メートル以上の場合は「特殊建築物」となり、規定が厳しくなるので、しっかりと確認しておきましょう。

電気や水道などの設備にも配慮する

小児科クリニックの内装では、電気や水道などの設備にも配慮が必要です。医療機器によっては大容量の電気が必要になるため、どの医療機器を導入するのか、どのくらいの容量の電気が必要なのかをあらかじめ確認しておきましょう。

また、休憩室やトイレなどの水を使うところが離れていると、水道工事が大変です。複雑な工事が必要になり、内装工事の費用が高くなる可能性もあるため、業者と相談しながら決めるようにしてください。

小児科クリニックの内装についての質問まとめ

最後に、小児科クリニックの内装に関するよくある質問を解説していきます。小児科クリニックの内装工事のポイントや必要な設備などを紹介しましたが、まだ疑問が残っているという人もいるでしょう。下記のような疑問を抱えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

  • 内装以外にも気を付けるべき点はある?
  • 内装工事にかかる費用を抑えるポイントは?

順番に見ていきましょう。

内装以外にも気を付けるべき点はある?

近年では、子育て相談室のような役割をしている小児科も少なくありません。そういった小児科を目指している場合は、保護者が気軽に相談に来れるような相談室やセミナー室を設置すると良いです。子どもと保護者の不安を軽減できるような寄り添った姿勢が伝われば、より相談しやすい親身な小児科クリニックになるでしょう。

内装工事にかかる費用を抑えるポイントは?

内装工事にかかる費用を少しでも抑えたいという人は、複数の業者に見積もりを依頼してみましょう。

1社のみに見積もりを依頼すると、提示された工事費用が適正な価格なのかが判断できず、相場よりも高い金額で依頼してしまったということになりかねません。複数の内装業者に見積もりを依頼すれば、安く工事を請け負ってくれる業者が見つかりやすくなります。

また、その際には安さだけでなくサービスの質にも注目してください。安さだけに注目すると、思ったような内装にならなかった、安っぽい見た目になってしまったと後悔する可能性があります。アフターフォローがしっかりしているか、実績が十分にあるかなどもチェックしながら選ぶようにしてください。

まとめ

小児科クリニックの内装では、感染症対策のための患者同士が接触しない動線、赤ちゃんや幼児が転んでも怪我をしない安心設計、ハイハイをしても手足が汚くならない衛生対策、子どもや保護者が安心して通える落ち着ける快適なデザインが重要です。

その他にも、部屋ごとのレイアウトのコツや内装以外に気を付ける点などがあるので、信頼できる内装業者を見つけて、しっかりと相談しながらデザインを決めていきましょう。

内装業者選びでお悩みの方は、ぜひ山吉吉田にご相談ください。内装に関するお悩みや日案がある方にも、丁寧にご説明をいたします。内装に関するご相談は、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

こちらの記事もおすすめ

top

お問い合わせ

ご相談・ご質問等ございましたら、
お気軽にお問い合わせください。