改修工事の種類は?修繕工事との違いやメリットも合わせて紹介
2023/03/06
コラム

「改修工事を考えているけど、そもそも改修工事は修繕工事などとはどう違うのか」「改修工事にはどんな種類があるのかいまいち分からない」という人もいますよね。

この記事では、改修工事の種類や修繕工事との違いなどを解説していきます。改修工事にかかる費用や、改修工事を行う際に活用できる補助金制度なども紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも改修工事とは

建築物が経年劣化などの理由で修繕が必要になった、または現在有している機能よりも高機能な建築物に作り変えたいというときに行う工事全般を改修工事といいます。具体的には、耐震性や耐火性を上げるための工事やバリアフリー化の工事などがあり、修繕と建築物の性能を高める工事を同時に行うことも多いです。

トイレの工事をするだけでも改修工事といえるため、改修工事は大規模なものだけを指すわけではありません。また、改修工事と聞くと大きな施設に大して行われる工事だけを指すイメージがあるかもしれませんが、一戸建ての住宅から工場や学校など、幅広い建築物に対して行う工事を指します。

修繕工事との違い

改修工事と修繕工事はほとんど同じ意味だと捉えている人は多いのではないでしょうか。しかし、実はこの2つの工事は少し目的が異なります。

修繕工事は、建築物が新築だったころの見た目や機能に戻すために行う工事です。それに対して改修工事は、元々有していた機能以上のものに作り変える工事のことをいいます。改修工事の中に修繕も含まれているため、一見すると違いが分かりにくいのですが、付加価値をつけるのが改修工事、元の状態に回復させるのが修繕工事と使い分けられています。似ていても違うことを指している言葉なので、注意しておきましょう。

改築・リフォームとの違い

その他に似ている言葉として、改築やリフォームがあります。改築は、床面積をそのままとして建物の一部を一度取り壊して作り変えることです。

リフォームは一般的にかなり広い意味で使われている言葉ですが、より住みやすいように家に手を加えることを指します。修繕と近い部分も多いのですが、修繕は経年劣化した機能を新築状態まで回復させるのが主な目的なのに対して、リフォームは機能的に回復させる必要はないものの、綺麗にしたり使い勝手を良くするために行うケースが多いです。

改修工事の種類

建築物をより良い状態にするための改修工事ですが、工事の内容によっていくつかに分類できます。改修工事の種類は、主に下記の3つです。

  • 屋根・外壁修繕・防水工事といった主に建物自体に手を加える工事
  • 床や壁などに塗装をする工事
  • その他の工事

ここでは、この3つの工事では具体的に何を行っていくのかを詳しく解説していきます。

屋根・外壁修繕・防水工事

屋根・外壁修繕・防水工事は、文字通り屋根や外壁の修繕を行います。

屋根や外壁は、経年劣化によってヒビが入っているケースも珍しくありません。ヒビが入ったまま放っておくと、そこから浸水して雨漏りを引き起こしたり塗装が剥げたりなど、さまざまな問題につながります。最悪の場合、壁の一部が落下して事故が起きてしまう可能性もあるでしょう。

これらへの対策方法としては、浸透性塗膜防水工事、透明外壁防水材加工工事、屋上防水工事などが挙げられます。よほど状態が悪くない限り、防水工事をしっかりと行えば不具合は解消できるでしょう。

場合によっては屋根自体を一度撤去して入れ替える工事を行うこともありますが、頻繁に行うような工事ではありません。

塗床・塗装工事

文字通り、塗装を行う工事です。外壁などと同じように長時間雨風に晒されるベランダ、多くの人が通る共用廊下など、どうしても劣化や損傷をしやすい場所というものは存在します。

そういった不具合が起こりやすい場所は、定期的に塗装してメンテナンスすることで劣化しにくくなるのです。建物自体を長持ちさせられるというメリットからも、塗床・塗装工事は重要な改修工事の1つといえます。

メンテナンスせずそのままにしておくと、耐水性や耐久性を損なって建物の耐用年数が短くなり、長期的にはコストパフォーマンスも落ちてしまうでしょう。

その他の工事

その他の工事は、建物自体の工事ではなく、主に建物に付随している機能についての工事が主な内容になります。例えば、給排水設備の工事やガス・空調・換気設備の工事、消火設備の工事などです。エレベーターや機械式駐車場などがある建物の場合は、これらの工事も含まれます。

これらは重要な設備ですし、何より整備しないと危険です。しかし、建物そのものではないため、工事の種類としては分けて考えられています。

改修工事のメリット

改修工事は、工事の規模や工事の種類によってかかる費用は大きく異なります。しかし、どんな工事であったとしても、それなりの金額がかかるのは間違いないので、それだけのメリットがなければ行う気にはなりません。

では、改修工事を行うことでどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、改修工事の主なメリットを3つ紹介します。

  • 建物の強度が上がって安全性が高くなる
  • 機能性や利便性が向上する
  • 建物の資産価値を維持できる

それぞれ見ていきましょう。

建物の強度が上がって安全性が高くなる

改修工事によって経年劣化してしまった部分を回復させれば、耐水性や耐久性を高く保てるようになります。これによって建物の強度が上がるため、安全性も向上するのです。

メンテナンスをしていないと、浸水などの影響で建物の一部が脆くなりやすく、後々トラブルや事故につながる可能性もあります。

運が悪いと怪我人が出たり大事故になったりするリスクも考えられるため、それらを未然に防げるだけでもメリットとしては十分でしょう。すでに脆くなってしまっている部分に気付いていなかったとしても、改修工事を行うことで気付き、すぐに対応できたというケースも少なくありません。

機能性や利便性が向上する

改修工事の種類にもよりますが、機能性や利便性が向上する可能性もあります。特に、古い建物だと現代では当たり前の設備がない場合もありますが、改修工事をすれば新たに設備を追加したり直したりすることが可能です。

身近な例として、緊急時に開けられるようにトイレの扉などは、現在は外開きが一般的になっています。しかし、古い建物だと内開きのままになっているところもあるため、改修工事で外開きに変更する場合があるのです。

その他にも、現在はバリアフリーに対応した建物が増えていることから、バリアフリー化をするための改修工事を行う人も多いでしょう。このように時代によって建物の作り方の常識自体が変わっていることもあるので、定期的な改修工事は時代に合わせられるという点もメリットに数えられます。

建物の資産価値を維持できる

一般的に、建物の資産価値は経年によって徐々に低くなっていくといわれています。通常、築20年ほどでほとんど資産価値がない状態になるでしょう。

よほど特殊な建物でない限り、資産価値が落ちていくのは避けられません。しかし、改修工事をしっかりと行えば、資産価値の減少を緩やかにしたり、価値を維持したりできる可能性があります。

さまざまな条件が噛み合えば、改修工事によって資産価値が上がる可能性もゼロではありません。価値を上げるのは難しいとしても、価値の減少を抑えられれば改修工事を行うメリットは十分にあるといえます。

改修工事にかかる費用

改修工事は頻繁に行うものではないので、相場を知らない人も多いかと思います。どのような種類の改修工事を行うか、また改修工事を行う広さなどによって費用は大きく変動するため、明確にどれくらいの金額が相場というのは提示できません。

最終的には見積もりを比べて判断するしかありませんが、一般的に改修工事費用のボリュームゾーンは1,000万円〜3,000万円となっているようです。大規模なものだと、3,000万円~5000万円ほどになるケースもあります。

ただし、これは小規模に水回りの改修だけ行う場合などは含まれていないので、そういった細かい改修工事を含めると、平均値はもっと低くなります。

改修工事で利用できる補助金制度

改修工事にはそれなりに大きな費用が必要になるため、金銭面で不安を抱えている人もいますよね。改修工事を行う場合、種類によっては補助金が出ることがあります。補助金にもさまざまな種類があるので、自分が受け取れる補助金があるかどうか事前にチェックしておきましょう。

ここでは、改修工事で利用できる補助金制度として、下記の4つを解説します。

  • 介護・バリアフリー
  • エコ・省エネ
  • 耐震改修
  • 在宅勤務・ウイルス対策用

順番に見ていきましょう。

介護・バリアフリー

建物をバリアフリーにする際は、段差をなくす工事では1箇所1万円~20万円程度かかります。手すりの設置は3万円~10万円、ドアの変更は5万円~30万円程です。

これらの改修工事を行う際に介護保険を利用すると、改修工事費用のうち自己負担は1〜3割で済ませることができます。上限金20万円という制限はありますが、大部分を保険でまかなえるので、利用しない手はありません。

自治体によっては補助金制度や減税制度を併用できる可能性もあるので、組み合わせるとよりお得に改修工事ができるかもしれません。

バリアフリーの改修工事を検討している方は、「バリアフリーの改修工事で減税されるには?対象の工事や条件を解説」の記事で減税制度などについても詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

エコ・省エネ

エコや省エネの改修工事では、非常に多くの補助金制度が用意されています。対象となる工事の種類は多岐に渡りますが、具体的には、太陽光パネルや蓄電池の設置、高効率給湯器の設置、断熱窓の取り付け、外壁や屋根の断熱化、節水トイレへの変更などです。

エコや省エネのために行う改修工事には、国やさまざまな自治体から補助金をもらえます。補助金制度自体がたくさんあるので調べるのは大変ですが、工事内容などによっては対象となった費用の半額を負担してもらえるケースもあるほどです。非常に金額が大きいので、時間をかけてでも調べる価値があるでしょう。

耐震改修

耐震改修にも補助金が出ますが、耐震の診断にも補助金が出るのはご存じでしょうか。耐震関係の補助金は、自治体や建物の建てられた時期によっても変わってくる部分があるので、各自チェックが必要です。建物の耐震性に不安を感じている、地震に耐えられるか疑問という方は、耐震改修を検討してみてください。

また、自治体によっては震災時などに崩れやすいブロック塀の解体を行ってくれたり、撤去に対する補助金が出たりするところもあります。ブロック塀の撤去にも0.5万円~1万円/㎡とそれなりに費用がかかるので、受け取れるなら申請したほうが良いでしょう。

在宅勤務・ウイルス対策

自治体によっては、在宅勤務向けの改修工事への補助金を出しているケースがあります。他の種類の補助金ほどではありませんが、生活のスタイルが変わったことで改修を検討している場合はチェックしてみる価値はあるでしょう。

間仕切りの追加工事や窓の新設などの工事は補助金が出やすいです。その他、洗面台の増設なども対象となりやすい他、場合によっては防音設備なども補助金が出る可能性があります。

時代背景も影響しているため、いつまで補助金が出るかも不明瞭です。事前に確認しておくことをおすすめします。

改修工事に関する質問まとめ

ここまで、改修工事の種類やそれぞれにかかってくる費用、改修工事で利用できる補助金について解説してきました。それでもまだ全ての疑問は解決できていないという人もいるかと思います。そこで最後に、改修工事についてよくある質問をまとめてみました。大きな金額を扱うことになるので、事前にしっかりと疑問を解消しておくことが大切です。

改修工事はどのくらいの間隔で行うべき?

改修工事を行うまでの期間は、明確に定められているわけではありません。しかし、一般的には12年周期で改修工事を行うといわれています。多少の前後があったとしても、10年~15年の間で大規模に改修工事が行われるのが一般的です。

築年数が10年を超えてくると、何らかの形で経年劣化が表面化してきます。また、マンションや学校などの一般住宅以外の多数の人が利用する建物は、10年が経過すると「特定建築物定期調査」という建物の状態をチェックすることが法律で定められています。これらの理由から、改修工事を行う場合は10年が1つの節目といえるでしょう。

改修工事を依頼する業者を選ぶときのポイントは?

改修工事を業者に依頼する場合は、注目すべきポイントがいくつかあります。まずは、信頼できる業者であることが大前提です。残念なことに、適切な価格を提示してくれない悪徳業者も中には存在します。

複数の業者に見積もりを依頼して適正価格かを判断する、担当者が丁寧に対応してくれるかをチェックする、アフターフォローも行ってくれるかを確認するなど、さまざまな観点からしっかりと業者を見極めるようにしてください。

また、業者選びの際には、これまでの実績などからその業者の得意分野も調べておきましょう。自分がしてもらいたい改修工事が得意な業者であれば、要望に添ってもらえる可能性が高いです。自分の要望に合う業者を探してみてください。

まとめ

改修工事は、経年劣化などの理由で修繕が必要になった、現在有している機能よりも高機能な建築物に作り変えたいというときに行う工事のことです。修繕だけの場合は修繕工事と呼ばれますが、新たな付加価値をつける場合は改修工事となります。

改修工事には主に、屋根・外壁修繕・防水工事、塗床・塗装工事、その他の工事の3つがあり、それぞれで工事をする目的や場所が大きく異なります。改修工事を検討している方は、自分が行いたい工事はどれに当てはまるのかを確認しておくと良いでしょう。

また、業者に依頼をする際は、その業者がどんな改修工事を得意としているのかを確認しておくと良いです。改修工事が得意な業者に依頼をすれば、自分の要望に合った工事をしてくれる可能性が高くなります。

改修工事を依頼する業者にお悩みの方は、ぜひ山吉吉田にご相談ください。山吉吉田では工場や病院などの法人様向けの大きな建物の改修工事から、一軒家などの個人様向けの改修工事まで幅広く行っております。改修工事をお考えの方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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