リフォームとリノベーションの違いは?費用やメリットデメリットを解説
2023/05/22
コラム

DIYブームの後押しもあり、リフォームやリノベーションといった言葉をテレビなどのメディアで耳にする機会が増えたという方もいるのではないでしょうか。しかし、リフォームとリノベーションの違いについて具体的に説明できる人は意外と少ないです。

そこで今回の記事では、リフォームとリノベーションの違い、リフォーム・リノベーションを行うメリットデメリットなどをまとめて解説していきます。自分の家も工事をしたいけどリフォームとリノベーションのどちらを選べば良いのか分からないという方は、ぜひ参考にしてみてください。

リフォームとリノベーションの違い

「reform」は日本語で「改善」「改良」を意味しており、「renovation」は日本語で「修復」「刷新」を意味しています。これだけ聞いても、どういった違いがあるのか分からないという人は多いでしょう。

分かりやすく説明すると、住んでいるうちに経年劣化してしまった部分を直し、新築のときと近い状態に戻すのがリフォームです。改修をして建物の価値を高めることを、リノベーションといいます。リノベーションは、古民家を買って改修してカフェにするような例が有名です。

詳しい違いについては、下記でそれぞれ解説していきます。

工事の規模

リフォームよりもリノベーションのほうが工事の規模が大きくなりやすいという特徴があります。リフォームの際には、キッチンやお風呂などの水回りの工事や壁・外壁の塗り替えといった建物内外の一部分を工事するのが一般的です。

しかしリノベーションでは、水道管や冷暖房換気設備などの位置変更や間取りの変更のような、解体作業が必要になるような規模で工事をするケースが多い傾向にあります。

壁や床、柱などの躯体構造だけを残す「フルスケルトン」の状態にしてから大規模な改修を行う「フルリノベーション」の事例も増えており、フルリノベーションのメリットに注目が集まっています。

工事の用途

リフォームは、今の使い古した状態の住宅から元の状態に戻すという用途で工事が行われます。一方でリノベーションは、住宅をより良い状態に改修する、建物の用途そのものを変更するといった目的で行われるものです。

古民家をカフェに、廃校になった小学校をオフィスになど、最初の用途とはまったく別の用途で使用するケースに人気が高まってきています。古くなってしまった建物も断熱や耐震設計から改修できるので、建物としての価値がぐっと上がることもあるのです。

リフォームを行うメリット

リフォームとリノベーションの違いが分かったところで、次はリフォームを行うメリットを3つ紹介します。

  • 工期が比較的短い
  • 工事費用を抑えられる
  • 施工後をイメージしやすい

それぞれの違いを見ていきましょう。

工期が比較的短い

リフォームはリノベーションに比べて工事の規模が小さいため、それに比例して工期も比較的短いです。例えば、6畳の畳からフローリングへの変更は約1日、ユニットバスの交換は約3日、トイレ交換なら早くて数時間と短時間で終了します。

もし工事期間中に仮住まいが必要な場合でも、工期が短ければ家賃や宿泊代の負担を減らせます。リフォームの工事以外の費用を抑えられるのもメリットといえるでしょう。

工事費用を抑えられる

リフォームはリノベーションと比較すると工事の規模が比較的小さいため、工事の費用も抑えられます。工期が短いと仮住まいにかかる費用を抑えられると先ほど紹介しましたが、もちろん工事自体の費用も抑えることが可能です。

もし改修を考えているのであれば、用途によってはリフォームのみで完了できる場合もあるかもしれません。リノベーションのメリットと合わせて検討してみてください。

施工後をイメージしやすい

今の状態を大きく変えることはせず、より住みやすくするのがリフォームです。間取りを変えるような大きな変更は行わないため、リフォーム後の状態をイメージしやすいのもメリットといえます。

今住んでいる家からあまり変えたくないという方にもおすすめです。新しい家に引っ越したときのような感覚がなく、住み慣れた家に今まで通り住めるので、新しい環境へ順応するストレスもほとんどないといって良いでしょう。

リフォームを行うデメリット

次はリフォームのデメリットを3つ紹介します。設備を1つ1つを新しくできたり、工期が短く費用も抑えられたりするのがリフォームのメリットでしたが、建物や自分の理想に合わせて計画を立てないと一転してデメリットになってしまうかもしれません。リフォームを考えるときには長期的に何が必要かを考える必要がありそうです。

  • デザインの自由度が低い
  • 住宅性能の向上はあまり見込めない
  • すぐに他の場所の工事が必要になる場合もある

それぞれのデメリットを解説していきます。

デザインの自由度が低い

リフォームのメリットとして大きな変化がないと紹介しましたが、裏を返せば大きな変化はさせられないというデメリットでもあります。せっかくリフォームに踏み切っても、完成してみたら思っていたより変化がなく、がっかりしてしまう可能性もあるかもしれません。

もしイメージを一新したいと思っている場合は、設備の他に内装や外装のデザインを変える、思い切ってリノベーションすることも視野に入れるなど、大規模な変更を検討してみるのも良いでしょう。

住宅性能の向上はあまり見込めない

建物自体が新しくなったり間取りが変わったりするわけではないため、住宅性能の向上はあまり見込めません。できないことの例としては、耐震設計や省エネ性の向上、生活導線の改善などです。

部屋の一部分に大きな家具を作ることで生活導線が改善するなどのリフォーム方法も場合によっては可能ですが、基本的には同じ間取りのままのことが多いでしょう。大きな改善を望むのであれば、より大規模な工事を含むリノベーションを選択したほうが良いかもしれません。

すぐに他の場所の工事が必要になる場合もある

リフォームで一部分を直したとしても、建物自体はどんどん古くなっていきます。築年数によっては、キッチンをリフォームした次の年にはユニットバスを交換しなければならなくなるなど、リフォームをした数年後にはまた別の箇所でリフォームが必要になるケースも珍しくありません。

リフォームの際に他の設備が古くなっていないかも確認すれば一度に改修が済むため、結果的には費用が抑えられる可能性もあります。少しでも気になる点がある部分は、リフォームを依頼する際に業者に相談してみてください。

リノベーションを行うメリット

リフォームのメリットデメリットについて把握したところで、次にリノベーションを行うメリットを見ていきましょう。リノベーションの主なメリットは、下記の3つです。

  • デザインや設計の自由度が高い
  • 中古物件も視野に入れられる
  • 資産性が高い物件を購入できる

リノベーションは今の家を工事したい人だけでなく、新築物件を購入するよりも費用を抑えられることなどから、中古物件を購入したい人にも注目されている方法です。

デザインや設計の自由度が高い

リノベーションはリフォームとは対照的に、デザインや設計の自由度が高い点がメリットです。例えば、リモートワークに対応するためにワークスペースを作りたい、出産のタイミングで子どものために子ども部屋を用意したいなど、家を間取りから大きく変えたくなったときにはリノベーションがおすすめです。

「生活スペースと仕事スペースはしっかりとスペースを区切りたい」「子ども用のスペースは雰囲気を変えたい」という場合でもデザインを考えて設計できるので、こういったケースではリノベーションが向いているでしょう。

中古物件も視野に入れられる

最近はリノベーションされた築古物件も注目されています。新しく住む家を検討している人にとって、新築や築浅物件のみに絞って探すのはなかなか大変です。新築や築浅物件は場所が限られてきますし、その中から自分の好みのデザイン・内装の家を見つけるのはさらに難しいでしょう。

自分でリノベーションをすれば、生活に必要なスペースや生活導線を自分で設定できるため、新築物件より好条件で気に入った物件に出会えるかもしれません。また、新築物件を購入するよりも中古物件を購入してリノベーションをしたほうが安く済むケースも多いので、費用面でのメリットもあります

資産性が高い物件を購入できる

物件は築年数が経つごとに資産価値が下がっていきますが、特に新築物件は築20年ほどになるまで、資産価値は下がる一方です。しかし、築20年を超えたあたりで物件の資産価値はほぼ横ばいになります。

今後の資産価値がほとんど変わらない中古物件を購入してリノベーションをすれば、リノベーション物件の人気によって資産価値が高くなる可能性もあるのです。購入費用も新築物件よりやすい中古物件なら、駅近物件などの条件が良い物件を購入できる可能性も高いため、今後の資産性に期待ができるでしょう。

リノベーションを行うデメリット

良いところばかりのように思えるリノベーションですが、デメリットにつながってしまうポイントもあるので、しっかりとチェックしておきましょう。ここでは、リノベーションを行うデメリットについて解説していきます。

  • 工事費用が高くなりやすい
  • 工期が長くなりやすい
  • 物件の耐久性に不安が生まれやすい

これらのデメリットが気になる方は、リフォームも合わせて検討してみてください。それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。

工事費用が高くなりやすい

リノベーションは工事の規模が大きくなることがほとんどなので、規模に比例して費用もかさんでしまいがちです。また、中古物件を購入してリノベーションをする場合は住宅ローンを利用できますが、すでに購入している自宅のリノベーションの場合はリフォームローンを利用することになります。

リフォームローンは借りられる金額に制限があり、住宅ローンよりも金利が高いため、利用する際には注意が必要です。リノベーションを行う際には、予算をあらかじめ決めておきて、予算オーバーにならないように細かく計画を立てましょう。

工期が長くなりやすい

工事が大規模になるということは、工期も長くなるということです。中古物件を購入してリノベーションする場合は、半年ほどの時間がかかるケースもあります。

購入した物件とは別に現在の自宅がある、近くに実家があってしばらく泊まれるといった場合は良いですが、自宅をリノベーションする場合には仮住まいが必要です。その際は、仮住まいにかかる費用も計算しておかなければいけません。

物件の耐久性に不安が生まれやすい

先ほど、築年数の古い物件も資産価値を高められると紹介しましたが、物件の耐久性が低くなってしまう可能性があるという点には注意しなければいけません。古い物件のなかには耐震基準の見直しによって建築基準法が改正される前のものもあります。

もしリノベーションをして綺麗な物件になっても、新しい耐震基準を満たしていなければ住む際に心配が残ります。あまりにも古い物件はリノベーションではなく建て替えをしなければいけなくなってしまうので、築何年までの物件を購入するかは慎重に決めましょう。 

リフォーム・リノベーションを行う際の費用相場

これまでリフォームとリノベーションを比較しながら、メリットとデメリットまで解説してきました。どんな人がリフォーム・リノベーションに向いているのかが分かってきたところで、気になるのは実際にかかる費用です。リフォームとリノベーション、それぞれを行う際にかかる費用の相場も紹介するので、参考にして見てください。

リフォーム

リフォームと一口にいっても、工事をする設備や工事面積によって費用はそれぞれです。ここでは、いくつかの例を紹介していきます。リフォームは複数箇所をまとめて行うと費用総額が安くなるという業者も多いので、気になる箇所がいくつかある方は、まとめて依頼することを検討してみると良いでしょう。

キッチン 50〜120万円
システムバス 50〜140万円
トイレ 10〜25万円
リビング・ダイニング 150万円~450万円

リノベーション

リノベーションの場合も、工事内容や設備、工事面積などによって費用は大きく変わります。また、マンションか一戸建てかによっても費用は異なります。マンションは外壁や屋根・共有部分などのリノベーションはできないため、一戸建てよりも工事ができる範囲が限られているという点に注意してください。

マンション 10~17万円/㎡
一戸建て 20~25万円/㎡

同じ面積でも、フルリノベーションにするか、さらに断熱改修もするのか、水回りの設備のグレードをどのくらいにするのかなどによっても費用は変動します。既存の間取りや設備をそのまま使ったり、設備のグレードをあまり高くないものにすれば費用を抑えられるでしょう。

マンションでリノベーションができる範囲については、「マンションでリノベーションできるのはどこまで?費用や注意点を紹介」の記事で詳しく解説しています。

まとめ

今回の記事では、リフォームとリノベーションの違いやメリットデメリットについて解説しました。リフォームは、住んでいるうちに経年劣化してしまった部分を直し、新築のときと近い状態に戻すための工事を指します。一方でリノベーションは、改修をして建物の価値を高めることです。

どちらにもメリットとデメリットがあるため、それぞれの特徴や違い、工事期間、工事費用など、さまざまな点から見比べて検討するようにしてください。

自宅のリフォームやリノベーションを検討している方は、ぜひ山吉吉田にご相談ください。小規模のリフォームから大規模なリノベーションまで、幅広く行っております。まずはお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

 

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