全面リフォームにかかる費用は?築年数・床面積別に詳しく紹介
2023/05/01
コラム

全面リフォームをしたいと思っても、どうしても費用の問題で悩んでしまうという人は少なくないでしょう。家全体をリフォームするとなると、高額な費用がかかるのは必至です。家のリフォームをする際には、まず費用を確認して、予算との兼ね合いを考えながらリフォーム内容を検討していきましょう。

この記事では、全面リフォームとは何か、全面リフォームにかかる費用相場、費用を抑えるポイントなどを解説していきます。全面リフォームを依頼する前に決めておくべきことなども説明していくので、ぜひ参考にしてみてください。

全面(フル)リフォームとは

全面リフォームは、家族構成の変化などに合わせて、外装・内装・間取りなどをまとめてリフォームすることです。通常のリフォームは局所的な手直しや補修をするのが一般的ですが、全面リフォームでは家全体を変えるような大掛かりな工事が行われます。

家の基礎部分を壊さずに利用するため、場合によってはリフォーム内容に制限がかかる可能性がありますが、比較的自由にリフォームすることが可能です。

自分の好みに合わせて家全体をより住みやすくなるように改修したいといった場合は、「リノベーション」とも呼ばれます。

リノベーションについては、「リノベーションでおしゃれな内装にするコツは?失敗例と合わせて解説」の記事をご参照ください。

建て替えとの違い

全面リフォームと建て替えを同じ意味と思っている方もいるかもしれませんが、それぞれ意味合いが異なります。建て替えは全面リフォームとは異なり、家の基盤である土台部分も取り壊して撤去する方法です。一から全てを建て直すので、全面リフォームよりも費用がかかります。

建て替えは、リフォームのように家の基礎部分の構造による制限などがなく、オーダーメイドで建築することが可能です。一方で、建設費用に加え解体費用や撤去費用も必要になるというデメリットもあります。取り壊しや瓦礫の除去にも時間を要するので、工期も長くなりやすいです。

全面リフォームにかかる費用相場

全面リフォームとなると、一部のみのリフォームと比べると、それなりに費用がかかります。しかし、全面リフォームにかかる費用は条件によって異なるため、ここでは、下記の2つのポイントから費用相場をチェックしていきましょう。

  • 築年数ごとの費用相場
  • 床面積別の費用相場

工事料金以外の費用についても解説していくので、参考にしてみてください。

築年数ごとの費用相場

築年数によって家の劣化状態が大きく変わるので、必要なリフォームの内容も費用も変動します。

築年数 リフォーム内容 費用相場
築10年 外壁・屋根補修 150万円前後
築20年 水回り設備の交換

クロス・床張替え

外壁・屋根補修

300万円〜400万円前後
築30年 内装

屋根・外壁塗装

800万円〜1000万円前後
築40年 内装・外装 1300万円〜1500万円前後

 

築10年の家は、全面リフォームが必要なほど劣化はしませんが、一戸建ての場合は外壁や屋根に痛みが生じるため、外壁・屋根補修を検討してみると良いでしょう。

築20年の場合は、水回りの設備に寿命が来るため、設備の交換が必要になってきます。また、汚れや傷みが激しくなる壁紙・フローリングの張替え、外壁・屋根の補修なども検討していかなければいけません。

築30年経過した家は経年劣化が酷いため、室内と外装全てのリフォームが必要となる場合が多いです。費用はかかりますが、別の家を新たに購入するよりは費用が抑えられるでしょう。

床面積別の費用相場

全面リフォームは、床面積によって費用が大きく異なります。全面リフォームの費用相場を確認する際には、リフォームをしたい物件の築年数や床面積を確認するようにしましょう。ここでは、床面積別に、内装リフォーム・外装リフォームをした場合の相場を表にまとめました。

床面積別 内装リフォーム 外装リフォーム
20坪 750万円〜1150万円 1000万円〜1400万円
30坪 1000万円〜1450万円 1350万円〜1800万円
40坪 1200万円〜1700万円 1600万円〜2100万円
50坪 1400万円〜2000万円 1900万円〜2500万円

工事以外にかかる費用

これまで紹介した費用は、リフォームの工事費用の相場です。しかし、全面リフォームでは工事以外の費用もかかるので、注意しましょう。

例えば、全面リフォーム家全体の工事をするため、工事が完了するまでの仮住まいが必要になります。仮住まいの賃料、引越し代もあらかじめ想定しておかなければいけません。

さらに、家具などを仮住まい先に搬入できない場合、一時保管のためにトランクルームも利用することになるでしょう。トランクルームの価格は立地によって変動するので、利用する場所の料金を確認しておくようにしてください。

また、車を持っている場合は、自宅の駐車場に業者の車が停まるため、自分が所有している車は停められなくなります。駐車場の費用も事前に確認しておくと良いでしょう。

全面リフォームの費用相場に幅がある理由

これまでに紹介した費用相場を見て、「なぜ築年数や床面積が同じ物件でもこんなに費用に差があるのか」と思った方もいるのではないでしょうか。全面リフォームの費用相場に幅がある理由としては、下記の3つに分けられます。

  • 業者ごとの費用の違い
  • 建物の劣化具合
  • 設備のグレード

それぞれ見ていきましょう。

業者ごとの費用の違い

リフォーム業者と一言でいっても、大手の会社・中堅会社・地元密着型の工務店の大きく3つに分かれます。大手のリフォーム業者の費用相場は、他の2社と比べると高くなりがちです。大手のリフォーム業者は、下請けに仕事を発注するため、仲介手数料などが発生します。価格を抑えたい場合は、中堅会社や地元密着型の工務店を探してみると良いでしょう。

建物の劣化具合

いくらメンテナンスをしていたとしても、築年数が経過していけば、それだけ家の劣化は酷くなっていきます。特に、1981年より前に建築された家は、現在の耐震性の基準を満たしていない可能性が高いです。その場合、基礎の部分から作り直さなければいけなくなるため、建て替えとほとんど変わらない費用がかかってしまうでしょう。

設備のグレード

全面リフォームでは多数の設備を一度に交換するため、一つ一つの製品のグレードの差によって合計金額が大きく変動します。

台所だけでも、キッチンの種類やレイアウトによって100万円近く差が生まれる場合もあります。このように、どのような設備にするか、どのようなデザインを選ぶかによって費用が変わるため、費用相場も安い金額から高い金額まで幅広くなるのです。

全面リフォームの費用を抑えるポイント

部分的なリフォームとは違い、広範囲を工事する全面リフォームでは、どうしても費用が高額になるのは避けられません。その費用を少しでも抑えたいと思う方も多いですよね。ここでは、全面リフォームの費用を抑えるポイントを詳しく紹介していきます。

リフォームの優先順位を決める

全面リフォームは部分的なリフォームよりも範囲が広いため、全体の計画や費用が分かりにくいです。そのため、どこのリフォームを重視したいのかをまず考えて、優先順位を決めましょう。

キッチンの設備を特に充実させたい、お風呂の設備を良いものにしたいなど、人によって譲れないポイントは異なります。また、デザイン性を優先するのか、バリアフリーなどの機能性を重視するのかなどの要望も、個人の好みやライフスタイルによって変化するものです。

自分が何を優先したいのかを決めておけば、「この場所には付属品は要らない」「寝室は壁紙や床材のグレードを下げよう」などの判断ができます。必要な場所のリフォームに必要な費用だけをかけることで、予算を抑えながらも後悔しない全面リフォームができます。

複数の業者に見積もりを依頼する

リフォーム費用は業者ごとに大きく異なります。先ほど、大手のリフォーム会社の費用は中堅会社や地元密着型の工務店よりも高くなりがちと解説しましたが、中堅会社同士や地元密着型の工務店同士でも費用はそれぞれ異なるのです。

そのため、一社にのみ見積もりを依頼してそのまま契約をすると、実は相場よりも高い金額が請求されていたという事態になりかねません。

見積もりは無料で行っているという業者も多いので、複数の業者に見積もりを依頼して、他の業者よりも高すぎたり安すぎたりしないかをチェックしましょう。

複数の業者に見積もりを依頼すれば、それぞれの業者の対応や説明内容なども比較できます。費用と対応・サービスのバランスを考慮しながら、信頼できる業者を選んでください。

追加工事がある場合は費用や必要性を確認する

リフォームを行う際には、工事を始めてからでないと見えない部分などがあるため、工事中に追加工事を提案される場合があります。しかし、「工事が必要といわれたから」といってすぐに承諾するのではなく、費用や工事内容、工事の必要性をしっかりと説明してもらうようにしてください。

自身でも目視で問題の箇所を確認して、必要性を感じたら該当部分の工事の見積もりを取ってもらいましょう。見積もり内容に納得ができてから追加工事を承諾すれば、「追加工事の費用が思ったよりも高くなってしまった」というリスクを防げます。

ローンの特徴を把握してうまく活用する

全面リフォームでは費用が高くなるので、ローンを活用して支払いをするという人も少なくないでしょう。しかし、リフォームで利用できるローンは、リフォームローンと住宅ローンの2種類があるため、それぞれの特徴を把握してうまく活用するようにしましょう。

リフォームローンはその名の通り、リフォーム費用を支援してくれるローンです。借りられる金額が1,000万円までと決められていますが、借入額が低い代わりに審査は通りやすく、住宅ローンと併用することも可能です。

一方で住宅ローンは、高額を借りられる上に金利も低く、返済期間も35年あるので安心です。しかし、審査の合格率が低く、団体信用生命保険に入る必要があるという点に注意しなければいけません。

それぞれの特徴や違いを理解した上で、自分に合ったローンを利用するようにしてください。

補助金制度や減税制度を利用する

ローンは返済が必要ですが、補助金は返済の必要がないため、利用できるものがあれば補助金を利用したほうが良いでしょう。また、税金が減額される制度などもあるので、合わせてチェックしておくと、費用を大きく抑えられる可能性があります。

ここでは、補助金制度や減税制度について見ていきましょう。

補助金制度

全面リフォームを行う場合、「リフォーム補助金制度」の対象になる場合があります。しかし、補助金はリフォームを行う全員が対象になるわけではなく、支給には条件があるので、以下で条件を確認していきましょう。

補助金制度の対象になるのは、以下のような目的でリフォームを行う場合です。

  • 耐震改修
  • 断熱・省エネ
  • 介護・バリアフリー

これらを目的としたリフォームを行う場合は、国や自治体から補助金が支給される可能性があるので、工事前に確認しておくと良いでしょう。

減税制度

全面リフォームでは、「リフォーム減税制度」を利用できる可能性もあります。リフォーム減税制度の対象になるのは、「所得税」「固定資産税」「贈与税」の3つです。

住宅ローン減税によって所得税も減税の対象になる、リフォームをした年度の固定資産税評価額を1/3から2/3程度軽減できる、リフォーム費用の援助のためであれば贈与税も非課税措置を受けられるなど、それぞれ条件や内容が異なります。

全面リフォームはどうしても費用がかかるので、少しでも費用を抑えるためには、これらの制度も活用してみてください。

全面リフォームを依頼する前に決めておくべきこと

全面リフォームは費用がかかるため、依頼前に自分でしっかりといろいろ調べた、家族で話し合って決めたという方がほとんどでしょう。しかし、全面リフォームを何度も経験したことがある人は少ないため、事前に決めておくべきことや確認しておくべきことが不十分な可能性もあります。

ここでは、全面リフォームを依頼する前に決めておくべきことを確認していきましょう。

リフォームの予算を考えておく

まず、見積もりを依頼する前に、リフォームに使える予算の限度額を把握しておきましょう。見積もりの段階で、予算についてリフォーム会社から尋ねられることは少なくありません。

あらかじめ予算をリフォーム業者に伝えておけば、予算内に納められる範囲での工事内容を提案してもらえたり、工事費用を抑えるためのアドバイスなどをしてもらえたりする可能性もあります。

契約後に予算オーバーだと気付いても、業者側がすでに製品を準備してしまっているとキャンセルは困難です。依頼前に家族で話し合い、今後の生活費なども考慮して冷静に予算を算出しましょう。

リフォーム期間中の仮住まいを確保する

全面リフォームは工事範囲が広くなるため、工事期間中の仮住まいを確保しておかなければいけません。工事内容にもよりますが、全面リフォームは1ヶ月~2ヶ月半ほどかかるとされています。工事範囲が広い場合や設備の移動などがある場合は、3ヶ月ほどかかることもあるでしょう。

これだけの期間を過ごす場所を、契約をしてから決めるのは大変です。契約前にある程度仮住まいの目星をつけておくようにしてください。また、工期が長引く可能性を想定して、1ヶ月ほど長く仮住まいを確保しておくと安心です。

法律の規制を確認しておく

家の間取りを変えるような大規模リフォームでは、消防法や建築基準法に触れてしまう可能性があります。法律に触れてしまう場合は、許可を得るために役所に書類の申請が必要です。届け出を失念していると、行政から指導が入ってしまうこともあります。

法律関連についてはリフォーム業者の方が詳しく知っているので、施工に着手する前に法に抵触しないかを相談しておきましょう。

まとめ

この記事では、全面リフォームの費用について説明しましたが、費用は築年数や床面積などによって相場が大きく変わります。また、工事内容や利用する設備によっても変化するため、自宅のリフォーム費用を的確に把握するなら、複数の業者に見積もりを取る方法が確実です。

見積もりを依頼する前に自分であらかじめ予算を決めておき、ローンや補助金などを活用しつつリフォームを行えば、不要な支出を抑えられるでしょう。

全面リフォームをどこに相談すれば良いのか分からないという方は、ぜひ山吉吉田にご相談ください。山吉吉田は物件のリフォーム実績が豊富で、お客様のご要望に合わせたリフォーム内容をご提案します。ご相談はお問い合わせフォームから受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

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