給排水申請工事とは|工事ごとに必要な書類や申請の流れを紹介
2023/03/27
コラム

建物には必ず給排水設備があります。建物用途によって給排水設備の具体的な設備内容は変わってきますが、どのような建物でも給水設備と排水設備があり、それらを行う際は申請をしなければいけません。

この記事では 給排水設備の工事を行いたいけれど、具体的にどのように工事を進めれば良いのか分からないという方のために、給排水設備工事の内容や申請についてまとめていきます。給排水設備の工事内容や工事の流れ、必要な申請書類なども紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも給排水設備とは

給排水設備は暮らしに欠かせない設備の1つで、給水設備と排水設備を合わせて給排水設備と呼びます。建物の用途によって仕様が変わり、マンションと一戸建てでも給排水設備は異なるのです。

マンションの場合は、大きなタンクに水を溜めておき、そこから水を供給していきますが、一戸建ての場合は大きなタンクはありません。

また、排水設備の1つとして浄化槽の設備があります。これは、トイレで利用した排水を、排水管を通して水を綺麗にしてから外に流すためのものです。このように、給排水設備にはさまざまなものがあります。具体的に見ていきましょう。

給水設備

給水設備は、建物に水を供給する設備です。道路の下の上水道管から水を引き込むために必要な給水管や、その他、貯水槽・給水ポンプ・給湯設備などが挙げられます。

貯水槽は、上水道から引き込んでいる水を溜めるタンクで、マンションや大きな建物に設置されているものです。受水槽と呼ばれるタンクの場合は建物の地下もしくは1階、高置水槽と呼ばれるタンクの場合は建物の屋上または高層階に設置されます。一戸建ての場合は、このようなタンクは無く、給水管から蛇口を通して水を出します。

給水ポンプは、揚水ポンプ・加圧ポンプ・増圧ポンプの3種類があり、建物に水を運ぶために使わるものです。貯水槽に溜められている水を使用したい場所で出すためには、給水ポンプが欠かせません。

給湯設備は温かいお湯を出すための設備で、お風呂やキッチン、洗面所などに必要です。給湯設備は、湯沸かし器や給湯ボイラー、循環ポンプなどの種類があります。

排水設備

排水設備は、汚水を下水道に流すために使われる設備です。日常生活の中では、トイレやお風呂、洗面所、台所などに汚れた水がありますが、これを外に流すために必要とされます。排水設備は、排水管や排水ポンプ・排水槽・浄化槽などです。

排水管は、下水道管まで汚れた水を届ける配管で、汚水排水管、雑排水管、雨水排水管があります。

排水ポンプや排水槽は、自然に下水道管に排水を流すことが難しい場合に用いられます。排水ポンプを使って、下水道に汚れた水を流しやすくするのです。排水槽に一時的に溜めてから排水されることが多く、排水槽は建物の地下に設置されているケースがほとんどです。

浄化槽は水を綺麗にするもので、汚水や生活雑排水を綺麗にして下水道以外に放流させられるようにしています。

給排水設備工事で行う工事内容は?

給排水設備にはさまざまなものがあり、それぞれ工事内容も異なってきます。給排水設備工事は、キッチンやお風呂、トイレ、洗面所などの水まわりの設備の交換や、給水管や排水管の交換、給湯設備の交換などです。

主に新しく建築される建物の場合に工事されますが、リフォームで行われることも少なくありません。ここでは、戸建て住宅で行われる工事の内容について、上水道工事と下水道工事の内容を紹介していきます。

 

工事の種類 具体的な工事内容
上水道工事 水道管引込工事、室内配管工事、修繕工事がある
下水道工事 屋内排水管工事、屋外排水管工事がある

 

上水道工事は、水を出すための工事です。新築の建物では、水道管から建物に給水管を引き込んで、水道メーターを設置して水を出せるようにしなければいけません。水道メーターを設置したら室内の配管工事を行い、キッチンやお風呂、洗面所、トイレなど室内で水を使う場所に配管を接続して水を使えるようにします。修繕工事は、これらの水回りに不具合が生じた場合に行われる工事です。

下水道工事は下水を流すために必要な工事で、屋内排水管工事と屋外排水管工事があります。家の中から外に汚水を排水するための設備を整えるのが、屋内排水移管工事です。屋内の排水管は、床排水方式または壁排水方式のどちらかで行います。屋外の排水管工事では、汚水排水管や雨水排水管、雑排水管などを設置し、家の外から下水処理場や川に汚水を流します。

給排水申請工事:給水設備

給排水工事を行う場合、どのような工事であっても申請を行わなければいけません。給水装置は自治体が管理しているため、申請をしないと工事ができないのです。では、給排水設備の工事を行う際の申請はどのようにすれば良いのでしょうか。ここでは、状況別の申請の流れを解説していきます。

新設工事

新しく給水装置を設置する場合は、新設工事となります。新築を建てた、引越しで新たに給水設備を取り付けることになった、リフォームで新たに給水設備を取り付けることになったといった場合は、下記の書類を揃えて申請しなければいけません。

必要な書類

給水設備の新設工事では、下記の書類が必要です。ただし、各自治体で求められる提出書類が異なる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。水道課に確認することで、必要書類について教えてもらえます。

 

給水装置新設工事申込書 給水装置新設工事施工申請書
給水装置工事設計審査申請書 水道使用届
工事用材料検査申請書 位置図
工事図面(平面図・配管図・断面図) 建築確認済証
利害関係者の承諾書 道路工事施工承認書
道路占用許可申請書 道路使用許可申請書(付近の見取図も)

申請の流れ

給排水設備を新設する場合、申請の流れも把握しておく必要があります。ここでは、大まかな流れをまとめておきます。

 

  • 施工業者と契約する
  • 施工業者と利害関係者の承諾書を作成する
  • 施工業者が必要書類を作成して自治体の窓口に申請する
  • 自治体から手数料や給水加入金の納付書が届く
  • 指定された金額を納付する
  • 自治体から工事承認がおり、道路使用許可申請手続きが行われる
  • 道路管理者と所轄警察署の審査が行われる
  • 許可が出たら施工業者に連絡が入る
  • 施工業者が道路使用許可申請を出す
  • 所轄警察署で審査が行われる
  • 施工業者による材料検査が行われる
  • 施工業者が必要書類を自治体に提出して立会予約を取る
  • 着工開始

 

このように、とても複雑な流れがあります。しかし、実際に依頼者が行うのは、業者との契約と手数料・給水加入金の納付だけです。申請に関しては依頼する業者が行ってくれるので、安心してください。

また、給排水工事では、自分で依頼する業者を探して決めることはできないため、注意が必要です。指定されている業者でなければ、給排水工事の申請ができません。自治体が指定している事業者から探すようにしましょう。

改造工事

改造工事は、排水管の管のサイズを変える、新たな水栓を設置するといった工事になります。リフォームを行った際や、老朽化した部分を取りかえる際などに発生する工事です。

必要な書類

改造工事を行う際は、下記のような書類を用意しなければいけません。中には、新設工事を行う場合と同じ書類も含まれています。ただし、必要となる書類は各自治体で異なるため、事前に確認しておきましょう。ただし、敷地内だけの工事になる場合は、道路使用許可関係の書類は提出する必要がありません。

             

給水装置改造工事申込書 給水装置改造工事施工申請書
給水装置工事設計審査申請書 工事用材料検査申請書
工事図面(平面図・配管図・断面図) 位置図
利害関係者の承諾書 建築確認済証
道路占用許可申請書 道路工事施工承認書
道路使用許可申請書(付近の見取図も)

申請の流れ

新設工事と同じような流れになりますが、改造工事を行う場合の申請の大まかな流れは下記の通りです。

 

  • 施工業者と契約する
  • 施工業者と利害関係者の承諾書を作成する
  • 施工業者が必要書類を作成して申請を出す
  • 自治体から手数料や給水加入金の納付書が届く
  • 指定された金額を納付する
  • 自治体から工事承認がおり、道路使用許可申請手続きが行われる
  • 道路管理者と所轄警察署の審査が行われる
  • 許可が出たら施工業者に連絡が入る
  • 施工業者が道路使用許可申請を出す
  • 所轄警察署で審査が行われる
  • 施工業者による材料検査が行われる
  • 施工業者が必要書類を自治体に提出して立会予約を取る
  • 着工開始

(ただし、敷地内の工事では道路使用許可関係の部分は行われず着工になる)

 

改造工事でも書類関係は業者側が行ってくれるので、施工業者選びと納付書に記載されている金額の支払いだけ行えば問題ありません。改造工事の場合も、指定されている業者の中から施工業者を選ぶことになります。

撤去工事            

排水管などの撤去を行う工事です。撤去工事は、給排水設備が不要となった場合や場所が完全に変わる場合などに行われます。

必要な書類

撤去工事で必要となる書類は下記の通りです。こちらも、自治体によって必要になる書類が変わってきます。

 

給水装置撤去工事申込書 給水装置撤去工事施工申請書
位置図 建築確認済証
利害関係者の承諾書 道路占用許可申請書
道路占用許可申請書 道路使用許可申請書(付近の見取図も)

申請の流れ

撤去工事の申請の流れをまとめると、下記のような流れになります。新設工事、改造工事と同様に、依頼者側が行うことは施工業者選びと納付書に記載されている金額の支払いだけなので、あくまで参考として見てみましょう。

 

  • 施工業者と契約する
  • 施工業者と利害関係者の承諾書を作成する
  • 施工業者が必要書類を作成して申請を出す
  • 自治体から手数料や給水加入金の納付書が届く
  • 指定された金額を納付する
  • 自治体から工事承認がおり、道路使用許可申請手続きが行われる
  • 道路管理者と所轄警察署の審査が行われる
  • 許可が出たら施工業者に連絡が入る
  • 施工業者が道路使用許可申請を出す
  • 所轄警察署で審査が行われる
  • 施工業者による材料検査が行われる
  • 施工業者が必要書類を自治体に提出して立会予約を取る
  • 着工開始

 

撤去工事の場合も、指定されている業者の中から施工業者を選ぶことになります。

修繕工事

修繕業務に関しては、パッキンを取り変えたり、コマを取り変えるなどの簡易的な作業以外は、申請が必要になります。作業によって申請が必要かどうかが異なるので、しっかりと確認しておくようにしましょう。

必要な書類

修繕業務では、下記のような書類が必要となります。こちらも、自治体により多少異なる場合があるので、事前に確認しておくようにしてください。修繕工事は、緊急性が高いものの場合は後から申請することも可能です。また、申請しないで修繕工事完了の報告書のみという場合もあります。

 

給水装置修繕工事申込書 給水装置修繕工事施工申請書
給水装置工事設計審査申請書 工事用材料検査申請書
位置図 修繕工事施工図
建築確認済証  

 

申請の流れ

修繕工事の申請の流れについて解説していきます。修繕工事の場合は、水道メーターよりも上流での修繕になるときは水道局にも連絡しなければいけないため、注意してください。

 

  • 施工業者と契約する
  • 施工業者と利害関係者の承諾書を作成する
  • 施工業者が必要書類を作成して申請を出す
  • 自治体から手数料や給水加入金の納付書が届く
  • 指定された金額を納付する
  • 自治体から工事承認がおり、道路使用許可申請手続きが行われる
  • 道路管理者と所轄警察署の審査が行われる
  • 許可が出たら施工業者に連絡が入る
  • 施工業者が道路使用許可申請を出す
  • 所轄警察署で審査が行われる
  • 施工業者による材料検査が行われる
  • 施工業者が必要書類を自治体に提出して立会予約を取る
  • 着工開始

 

緊急性が高く後から申請をする場合は、業者に依頼した後にそのまま着工するという流れになります。

給排水申請工事:排水設備

排水設備の工事を行う場合は、下水道局へ届出を出す必要があります。届出は、着工の7日前までに提出しなければいけません。届出の提出に関する詳しい事項は各自治体で異なるため、自治体に確認してみてください。排水設備に関しても、指定された業者しか工事を行うことができないので、注意しましょう。

給排水工事を行う際の注意点

ここまで給排水工事について解説しましたが、最後に給排水工事を行う際の注意点について解説していきます。

  • 申請の許可が出るまでに時間がかかる
  • 自治体の指定事業者が良いとは限らない

順番に見ていきましょう。

申請の許可が出るまでに時間がかかる

給排水工事では、さまざまな申請業務が関わってくるため、申請が通らなければ次のステップに進むことができません。申請の許可が出るまでに時間がかかることも考慮して、余裕を持ったスケジュールを立てるようにしましょう。         

自治体の指定事業者が良いとは限らない            

「自治体で指定されている業者だからどこを選んでも同じだろう」「どこでも安心だろう」と思ってあまり調べないまま契約してしまうと、思わぬトラブルにつながる可能性があります。指定業者であっても、各業者の特徴や評判などは調べておくようにしましょう。

まとめ

給排水工事を行う際は、さまざまな手続きを行わなければならないことが分かりました。しかし、申請自体は施工業者でほとんど行ってくれるので、依頼人は難しい作業をする心配はありません。しかし、指定業者の中から自分でしっかりと業者を選ばないと、後々トラブルにつながる可能性もあるので、それぞれの業者を比較しながら選んでみてください。

給排水工事を検討している方は、ぜひ山吉吉田へご相談ください。給排水装置指定店、公共下水道指定店として認定されており、安心してご依頼いただけます。お問い合わせは、お問い合わせフォームから受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

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